(瑞希お兄ちゃん・・・!)
愛しい。
彼のことが、やっぱり愛しい。
「檜扇柊護に会ったのか?」
「え?」
短い廊下を歩き終わったところで聞かれる。
「あ・・・会いました・・・。」
それでよみがえる最新の黒歴史。
(よりによってパチモンと、瑞希お兄ちゃんを間違えてしまった私~~~~!!!)
そんな報告、とてもじゃないけど出来ない。
「凛、奴に何か言われたか?」
「えっ!?えーと・・・特に何もご報告するようなことはないですっ!はい!!」
「そうか・・・。」
(・・・・・・あれ?)
なんだか瑞希お兄ちゃんの横顔、少し寂しそうに見える。
というか―――――――
「瑞希お兄ちゃんは、ヘルメットマンさんと面識はあったのですか?」
「檜扇柊護、な?・・・昔、現役の時に会って以来だ。」
「え!?お会いしてたんですか!?」
「愛人のガキって小馬鹿にされた。」
「はあ!!?」
(私の瑞希お兄ちゃんを、小馬鹿にしたですって!!?)
「仇討してきていいですか!!?」
「馬鹿!!奴には絶対関わるな!!」
「でも!!悪口を―――――メンツつぶされてるのに、放っておけません!!」
「良いんだよ!!お互いに干渉しないって、取り決めしてっから!!」
「えっ!?そんなやり取りしてるのですか!?」
「大河や他の奴らには内緒だぞ!!?凛だから言ったんだからな!!?」
(私だから言った=特別扱い・・・!?)
「わかりました!!言いません!!」
「ついでに、関わらないでくれれば、お兄ちゃん的には大いに安心だ・・・!!」
「わかりました!!関わりません!!」
「良い子だ・・・。」
そう言われ、頭をなでられる。
それだけで幸せな気持ちになった。
だから瑞希お兄ちゃんに、ヘルメットマンさんこと檜扇柊護さんについて、それ以上のことは聞かなかった。


