彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)









(瑞希お兄ちゃん・・・!)

愛しい。

彼のことが、やっぱり愛しい。



「檜扇柊護に会ったのか?」
「え?」








短い廊下を歩き終わったところで聞かれる。








「あ・・・会いました・・・。」








それでよみがえる最新の黒歴史。










(よりによってパチモンと、瑞希お兄ちゃんを間違えてしまった私~~~~!!!)










そんな報告、とてもじゃないけど出来ない。








「凛、奴に何か言われたか?」
「えっ!?えーと・・・特に何もご報告するようなことはないですっ!はい!!」
「そうか・・・。」


(・・・・・・あれ?)








なんだか瑞希お兄ちゃんの横顔、少し寂しそうに見える。
というか―――――――










「瑞希お兄ちゃんは、ヘルメットマンさんと面識はあったのですか?」
「檜扇柊護、な?・・・昔、現役の時に会って以来だ。」
「え!?お会いしてたんですか!?」
「愛人のガキって小馬鹿にされた。」


「はあ!!?」

(私の瑞希お兄ちゃんを、小馬鹿にしたですって!!?)

「仇討してきていいですか!!?」


「馬鹿!!奴には絶対関わるな!!」
「でも!!悪口を―――――メンツつぶされてるのに、放っておけません!!」
「良いんだよ!!お互いに干渉しないって、取り決めしてっから!!」
「えっ!?そんなやり取りしてるのですか!?」
「大河や他の奴らには内緒だぞ!!?凛だから言ったんだからな!!?」



(私だから言った=特別扱い・・・!?)

「わかりました!!言いません!!」



「ついでに、関わらないでくれれば、お兄ちゃん的には大いに安心だ・・・!!」
「わかりました!!関わりません!!」
「良い子だ・・・。」








そう言われ、頭をなでられる。
それだけで幸せな気持ちになった。
だから瑞希お兄ちゃんに、ヘルメットマンさんこと檜扇柊護さんについて、それ以上のことは聞かなかった。