「高野舟槙か・・・。」
彼に対して、『過去では』好感度を持っていた。
(でも、第一印象は・・・・・出会い方が悪かった。)
やっぱり交番に届けるような人間とは、関わっちゃいけない。
教訓にして、今後に生かしていこう。
そう決意し、画面をタッチしてスピーカーにした。
「もしもし?」
自分でも驚くぐらい、冷たい声だったと思う。
一瞬の間の後で、電話の相手が声を発した。
〈蓮ちゃん・・・〉
「!!?」
女の声。
(高野舟槙じゃない!!?)
「失礼ですが、高野舟槙さんじゃないですよね、あなた?」
〈舟槙ちゃんじゃないわ、蓮ちゃん。私よ。檜扇のおばあちゃんよ。〉
「っ!!?」
(檜扇湖亀!!?)
なんでこいつが―――――――
「なぜあなたが、舟槙さんの電話を使っているのですか?」
〈私が電話しても、蓮ちゃんは電話に出てくれないと思ったからよ。〉
よくわかってるじゃねぇか、クソババア。
「身体は悪くても、頭は悪くないようで安心しました。では、失礼します。」
〈待って蓮ちゃん!!きらないで!!話を聞いてちょうだい!!〉
「あいにく、電話を切らなきゃいけない場所にいます。病院でスマホを使うのは、ペースメーカーを入れている方を殺すようなものですから。」
〈病院!?やっぱり蓮ちゃん、ケガをしてるのね!?二三人を送るから、場所を教えてちょうだい!!〉
「なんの嫌がらせですか!!?迷惑なので、女好きのクズを送りつけないで下さい!!というよりも、高野長月さんが僕に何をしたか、ご存じですよね?」
〈・・・舟槙ちゃんから聞いたわ・・・。〉
「でしたら、今後一切、僕と真田瑞希さんに接触してこないで下さい。あなたの大事な身内に、今度は瑞希お兄ちゃんが危害を加えられては困りますので。」
〈治療費は払うから!!どこの病院にいるの!?怪我はしてない、外傷はないと聞いたけど、なにか薬品でも使われたの!?〉
「黙秘します。きりますね。」
〈待って!!待って待って待って!!本当に長月がごめんなさい!!でもね、蓮ちゃん!!ここは思いやりを持ってほしいの!!〉
「重量のある槍の武器が、どうしたというのですか?」
〈重い槍じゃなくて、思いやりよ!!相手の身になって考えてほしいと言ってるの!!〉
「はあ?誰を思いやれっていうのですか?」
〈私と舟槙ちゃんよ!!〉
「はあー?なんで、そのチョイスなんですか?」
図々しいことを言う相手を怒れば、まくしたてるようにしゃべってくる老害。


