「直接視てないから断言できねぇけど、凛たんに付着してるオーラは、悪い感じはしないぜ。」
「付着しているオーラ??どういう意味ですか、烈司さん?」
「んー言い方は人それぞれだけど、俺はオーラって呼んでる。1人1人についてる見えないエネルギーのことだ。」
「エネルギー・・・ですか?」
「そうそう。その人物の性格が、オーラになって体を覆ってるんだよ。人によって色もにおいも違う。長い時間一緒にいると、他人のオーラが、香水の移り香みたいに、他の奴に付着する場合がある。」
「じゃあ、凛先輩にヘルメット野郎のオーラが付着してんすか!?」
「そういうこと。もう消えちまってるけど、中坊を凛たんが温めてた時点では、まだかすかに残ってた。『間接的に視た』感じだと、悪くはなかったぜ。」
「よかったです!烈司さんがそう言うなら、やっぱりいい人なんですよ!」
「その話、信じていいのかよ烈司!?」
ホッとする私とは対照的に、イライラした様子で烈司さんに聞く瑞希お兄ちゃん。
これに烈司さんは、煙草を出しながら言った。
「信じていいぞ、瑞希。ただし、手放しでいい人判断するのはよくないぞ、凛たん。」
「え!?なぜです!?」
釘を刺してくる占い師に聞き返せば、相手はジッポを取り出しながら言った。
「多分俺、ヘルメットマンに会ってるわ。」
「「「「「「え!?」」」」」」
(烈司さんがヘルメットマンさんと会ってる!!?)
「わははは!マジかよ烈司―!?」
「おう、マジマジ。」
「どういうことだ烈司!?説明しろコラ!!」
百鬼への回答で、ヒートアップする瑞希お兄ちゃんに、煙草に火をつけながら烈司さんは告げる。
「プライベートでも仕事でも、1度見たオーラは忘れない。顔と名前は思い出せないが、凛たんに付着してたオーラの気は、1度見たことある奴のものだった。」
「なんだと!?」
「じゃあ、烈司さんはヘルメットマンさんに――――――――――!?」
「会ってる。」
煙草をくわえて深く吸い込んでから放すと、フーと長く煙を吐く烈司さん。


