彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「味方がいたんですか!!?」
「ああ・・・!!たった1人、味方になってくれた!!しかもその人は、根拠があるうえで、『他殺である』と断言してくれた。」
「根拠、ですか?」
「凛道蓮君、自分で焼け死のうと思ったら、まずはどうすると思う?」
「え?焼け死ぬ予定はありませんが、そうですね・・・・・燃えやすいもの・・・ガソリンをかぶって、身体に火をつけます。」
「正解だ。父上と母上も、ガソリンをかぶって焼け死んでいた。焼け死んだことには変わりないのだが、遺体が『炭化』していた。」
「炭化!?」
「・・・・・妙だな・・・・・。」







驚く私に、瑞希お兄ちゃんも同様の反応をする。







「鳥恒さんよ、あなたの親父さんとおふくろさんの遺体は、本当に炭化していたんすか?」
「ああ・・・!!2人共、全身が炭化していた・・・!!」
「え!?おかしいですね・・・。」







それで私は、思っていたことを口にした。








「普通の焼死死体は、一回ガソリンをかけたぐらいじゃ、炭化しないと思うのですが?」

もし、炭化状態にしようと思えば―――――――――






「凛道蓮君の言う通りだ!!実際に現場を再現した味方の刑事さんが教えてくれたが、死体を炭化状態までにするとなると、最低でもガソリンをかぶり火をつけるという作業を4回以上続ける必要があったんだよ・・・!!」






そう・・・1回以上、ガソリンをかぶって火をつけ続けないと足りない。

ガソリンを1回かぶって火をつけたぐらいの熱では、炭化しないのだ。