「詳しい話は中で聞く!全員店に入れ!!」
そう仰ると、私を抱き上げた状態で裏口へと歩き始める瑞希お兄ちゃん。
「なんだよー!?そんなのありかよ!?凛せんぱーい!?」
「真田瑞希さんなら、ありありだ。覚えとけ、中坊。」
悪態をつく雷太の背中に手を回すと、ポンポンと軽く叩きながら言う烈司さん。
「神楽坂ちゃんが悪いのよ♪凛ちゃんを、いつまでも抱きしめてたバツよ~ん♪」
烈司さんに肩を組まれた雷太にベーと舌を出すと、私達の後をついてくるモニカちゃん。
「下っ端は下っ端らしく身を慎め。」
オネェさんに続きながら皮肉を言う獅子島さん。
「わははは!ダメだろう中坊!?次回は、バトルにまで発展させろよー!!」
バシバシ!
「いてぇ!?」
迷惑なことを言いながら、雷太の背中を叩く百鬼。
みんなが私達の後を追いかけてくる。
私を抱いている瑞希お兄ちゃんを見れば、不機嫌そうな顔をしていた。
密着できるのは嬉しいけど、気まずかったので言った。
「み、瑞希お兄ちゃん!僕、1人でも歩―――――!」
「2ケツしたのか?」
「え?」
「正義の味方気取りのヘルメット野郎と、2ケツしたのかって聞いてんだよ!?」
「・・・しました。」
「へぇえ~・・・!?」
(怒ってる!明らかに、怒ってる!)
瑞希お兄ちゃんに抱き上げられるのは嬉しいけど、怒ってる状態は健康的じゃない。
片目を吊り上げてくるお顔が怖い!でも、そんなお顔も素敵!!見惚れちゃーう♪
〔★不機嫌な瑞希、凛にとってはご褒美だ★〕
「凛!カギ!」
「あ、はい!」
裏口のカギを渡せば、片手で私を抱きなおしてから、利き手で渡したカギをカギ穴に差し込む瑞希お兄ちゃん。
ガチャ!と音がして、扉が開く。
ここでおろされるかな?と思ったけど、瑞希お兄ちゃんは私を抱えたままドアをくぐった。
店舗スペースは基本土足OKゾーン。
それなのに、なぜかご自身の靴を脱ぎ、私の靴を脱がせる瑞希お兄ちゃん。
脱いだ靴を置くと、そのまま、住居スペースに入る。
住居スペースは土足禁止でスリッパオンリーなのだけど、瑞希お兄ちゃんは靴下姿でドカドカ進む。
そして、洗面所まで私を連れて行くと好きな人は仰った。


