彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「おばあ様が食事を食べ終わるのを見届けてから、みんなで食事をしていたわしらの前に、高野槙雄は、テーブルに手土産だという箱を置いた。おじい様が持ち帰れと言ったが、中身を見てからにしろと偉そうに言った。何が入っているのか父上が聞けば、『達比古殿と姉さんの子供が入ってる。』と言った。」
「子供!?」
「箱に入れてきたのか・・・?」
「密閉された箱だった。母上が赤ん坊が死んでしまうとあわてて、父上はおじい様が止めるのも聞かずに、箱のふたを父上が開けた。途端に、箱の四方がバラバラに崩れ、中から赤子が出てきた。」
「え!?本当に赤ちゃんを入れてたのですか!?」


「そうだ!!ビンに入ったホルマリン漬けにされた赤ん坊がな!!!」
「ホル・・・・・・・・・・!!?」
「ホルマリン漬け、だと?」







鳥恒さんの言葉に、一気に血の気が引いた。







「あとはもう、阿鼻叫喚だった。母上はショックで気絶し、父上は腰を抜かし、おじい様は――――――――――――――ホルマリン漬けの赤ん坊を見据えていた。・・・ああ、竜憲兄上も、同じようにホルマリン漬けを見つめていたな。」







静かに語ってはいたが、鳥恒先生が怒っているのは明らかだった。
その証拠に、再び声を荒げながら言った。







「高野槙雄は、『達比古兄さんが子供が出来たことを知らせに行き、自分の子種じゃないと言われて帰った日に、病院でホルマリン漬けにしてもらったあんたの孫だ!!あれから姉は、達比古兄さんの子供を2度妊娠したが、流産してしまった!原因は、ホルマリン漬けにするために子供を堕胎した後遺症だと言われた!お前が殺したんだ!!責任を取って、達比古兄さんの勘当を解いて、姉を檜扇家の嫁として向かい入れろ!!』と脅迫してきた。これにおじい様が声を上げる前に、記者達が『すごい記事がかけそうです!』と、『部落者差別を政府はなくしたのに、檜扇家だけは差別を続けている!』と、『差別を受けた結果、1つの命がホルマリン漬けになった!どう責任を取られる気ですか!?』と・・・騒ぎ立てた。」



(狂ってる!!)



あまりの奇行に言葉を失う。
それは他の皆も同じで、嫌悪をあらわにしていた。
そんな私達をよそに、淡々と鳥恒先生は語る。