彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「その日、長女が病院に持参したかぼちゃの煮物を長男である夫は食べていた。そこへ、あの女が帰ってきた。」





低い声で鳥恒先生は告げる。







「いつもなら、日付が過ぎてから帰ってくる湖亀が早く帰宅した。そして、かぼちゃの煮物を食べている夫を見て怒鳴りつけた。『食べればうんこが出る!誰がシモの世話をすると思ってるんだ!!?』とな!!」

「鬼だ!!」







思わず漏れた言葉。
ハッとしたが、私の言葉を瑞希お兄ちゃんがフォローしてくれた。





「おう、鬼だぜ。それも外道だ・・・!!」
「瑞希お兄ちゃん・・・。」
「ああ、2人の言う通り、極悪非道さ!!シモの世話なんてしてなかったんだからな!!」





私と瑞希お兄ちゃんの感想に、同意しながら言葉を付け足す鳥恒先生。





「それを長女が注意すれば、『あんたのせいで怒られた!』と、騒ぎ立て、夫を責め立てた。その日を最後に、最初の夫はかぼちゃの煮物を食べなくなった。いくら兄弟が、あの女がいないところで食べろと勧めても、一切口をつけなくなってしまった。『食べれば、食べた証拠としてうんこが出る』と言ってな!」
「えっ!?食べるのをやめちゃったのですか!?」

そんなことしたら、治る病気も治らないよ!!

「ふざけた真似してくれるじゃねぇか、湖亀!」
「そうだろう!?見かねた医者が注意するれば、その場ではしおらしく愛想よく、『わかった』と返事をするが、病室に戻ってから、『あんたのせいで医者に怒られた!!』と喚き散らしていたと・・・両隣の病室の患者達が、夫の兄弟に教えたらしい。病院側も、口には出さないが、あの女を血も涙もない極悪の悪女認定していた・・・!!」
「しますよ!極悪人ですよ!」





断言する私の横で、瑞希お兄ちゃんも渋い表情で言葉をつむぐ。