彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「高野湖亀が現れてから、家族でのケンカが絶えなくなった。といっても、達比古1人が暴れるというものだったがね。竜憲兄上は、『私達は部落者だから反対しているのではない。酷なことを言うが、彼女はお前の財産を愛してるだけで、檜扇家の家に入りたがってるだけだ。その上、部落を利用して、脅しに使う真似をしているから、その性格を私達はみんな、受け入れられないのだ。お前は見た目に騙されず、内面の正しい人を選びなさい。』と・・・繰り返し、説得したがダメだった。」
「え?喧嘩するところを見せたのですか?」
「両親は見せるなと言ったけど、祖父母の判断でね。高野湖亀は、幼いわしを手名付けて、味方にするために、近づこうとしていたらしいんだ。それを察して、祖父母はもちろん、屋敷の者達は、兄上達が高野湖亀のことで言い争う姿をこっそり見せてくれたのだ。『社会に出れば、性別にかかわらず、どんな敵がいるか知っておいて下さい。』・・・とな。」
「警察は呼ばなかったのですか?警察を呼べば、追い返せるんじゃないですか?」
「公安が関われば、檜扇財閥の名前に傷がつく・・・・・それもあって、呼べなかったのだ。とはいえ、公安への手回しはしていたから、湖亀は3か月ほど押しかけて来たのち、ぱったりと家に来なくなった。同時に、達比古は家の金を無断で大量に持ちだして、湖亀の元に転がり込んでしまったんだがね。」
「湖亀さんと駆け落ちしたのですか!?」
「同居を始めたんだよ。盛りのついた猿みたいだったと・・・湖亀の家の近所では、2人の関係は有名だった。湖亀の家は、令和風に言えば、高野ラブホテルと言ってもいいぐらい、湖亀と達比古は、『はしたない真似』を繰り返した。そこから達比古は、大学に通うから、『湖亀の今度の相手は、檜扇財閥のバカ息子』だと世間にバレてしまった。」
「今度の相手?」
「達比古と出会った時、湖亀はバツ1だった。」
「え!?離婚されてたのですか!?」
「そうだ。湖亀が言う離婚理由は、『夫が博打と酒にお金を使って暴力をふるうから、弟に頼んでまとまったお金を用意して、泣いて土下座して別れてもらった。』のだと達比古は両親と龍憲兄上に説明したが、実際はウソだった。」
「ウソ、ですか?」





聞き返せば首を縦に振る柔道の先生。