「日本に渡航して・・・・北朝鮮から日本に来た魔物で、コリアン部落(ぶらく)の悪女です。」
「コリアン部・・・・部落?部落・・・あ!?同和問題の部落ですか!?」
「そうだよ。」
私の問いに、低い声で鳥恒先生が同意する。
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
同和問題の部落(どうわもんだいのぶらく):昔々、歴史のお話になるけど、封建時代に『えた』・『ひにん』等と呼ばれて、公式で差別してもいい人間達を権力者が作り、その人達は差別を受けた目だけに生きることになり、住む場所も固定されて移動できないという悪習慣が、明治まで続いたのだよーん☆彡
「・・・凛道蓮くんは、部落差別に詳しいか?」
「はい、授業で習いました!大岡越前と同じ時代に生きたある奉行所の人が、部落の仲間が1人町人に殺されたから犯人を死刑にしてくれと訴え出たら、『ひにんは、人間にならない。どうしても犯人を罰したいなら、あと6人、合計7人死んだら1人前の人間として認め、裁判をして犯人を裁こう。』という裁きを出して、当時の人々が名裁きだと拍手喝采したヒドイやつですよね!?」
「マジか凛!?ひどいのぉ~!?」
「うん、冗談抜きで、ひどいよね、ヤマト。」
だって、そのお代官の言い分だと、部落の人、1人当たりの命の価値は、部落じゃない人の七分の一ということになる。
そう思ったら、急に鳥恒先生のことが不安になった。
「鳥恒先生・・・まさかとは思いますが、檜扇湖亀さんが外国人な上に部落の方だから、それで助けないでほしいというのですか・・・?」
明治時代、法律が変わって、えたとひにんの制度は廃止され、その人達は『新平民』の肩書をもらって、一般人になれた。
それでも――――――――令和になった現代でも、部落差別はまだ残っている。
「湖亀さんの生まれを理由に助けるなというなら、部落差別になりませんか!?」
「そんな単純な理由じゃないっ!!」
批判的に告げれば、あからさまに否定される。


