彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「あの女は!!愚兄をそそのかし、取り返しのつかないことをした人殺しだ!!」
「人殺しって・・・・・・。」

あの気弱そうに見えたおばあさんが?

(まあ、最後の方は、不気味なおばあさんだったけど。)

「あの・・・さしつかえなければ・・・」
「よせ、凛たん!」
「烈司さん?」
「軽々しく、聞いていい話じゃないぞ、これ。」
「いや、聞くべきだ。」
「瑞希!?」
「俺の血縁上の関係もある。教えてもらっておいた方が、檜扇湖亀を助けないと仏に誓える。」
「話します!!」







瑞希お兄ちゃんの言葉に、素早く鳥恒さんが反応する。







「本当に、あの人殺しを見殺しにしてくれるんですね!!?」
「約束します。」







恐ろしい取り決めをする瑞希お兄ちゃんと鳥恒先生。
見たこともない無表情で同意する瑞希お兄ちゃんに、不覚にも――――――――――――見惚れてしまった♪





〔★凛は事の重大さがわかっていない★〕





瑞希お兄ちゃんに燃えた気持ちを抑えつつ、話を勧めるために私は口を開いた。







「鳥恒先生、立ってください。床にすわったままだと、服が汚れちゃいます。」







そう伝えながら手を貸し、一度床から立ち上がってもらう。
それに素直に鳥恒先生は答えると、近くの椅子に座る。







「教えてもらえますか、鳥恒さん。悪女の――――――檜扇湖亀について。」
「ああ、教えよう・・・!」







瑞希お兄ちゃんにうながされた鳥恒先生は、檜扇湖亀を助けないでほしい理由を話し始めた。







「檜扇湖亀・・・高野湖亀は・・・旧姓を『ムン・ハンチャ』という。」
「え!?中国人、韓国人、香港人、台湾人のどちらですか?」







思いつく限りの人種を口にする私に、ため息をついてから鳥恒先生は答えた。







「朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮人です。」
「ええ!?北朝鮮!?」







〔★どれでもなかった★〕