「凛・・・。」
「お願い、瑞希お兄ちゃん!!絶対に臓器提供なんてしないで!!嘘つきな奴らなんかのために、瑞希お兄ちゃんが傷つく真似をしないで!!」
「落ち着けよ、凛!心配しなくても俺は――――――――!!」
「頼む!!」
「「え!?」」
そう叫ぶなり、突然、その場に座り込む鳥恒先生。
急なことに、私と瑞希お兄ちゃんの声がそろう。
それをお構いなしに正座して手をつくと、瑞希お兄ちゃんを鳥恒先生は見ながら言った。
「真田瑞希さん、頼みます!!檜扇家・高野家からドナー検査を頼まれても、しないで下さい!!万が一適合しても、臓器を提供しないで下さい!!あの女を地獄に落としてほしいのです!!」
「鳥恒先生!?」
「鳥恒さん!?」
「この通り、お願い致します、真田瑞希さん!!!!」
そう言うなり、今度は鳥恒先生が瑞希お兄ちゃんに土下座をする。
シゲ先生と年も変わらないご老体が、若い瑞希お兄ちゃんに敬語を使い、頭を下げた。
これに私達はもちろん、頼まれた瑞希お兄ちゃんも驚いた。
「ちょ!?立って下さい!!頭を上げて下さい!!鳥恒さん!!」
「お願いします!!あの悪女が地獄に落ちるまたとない機会です!!どうか助けないで下さい!!!」
「な!?仮にも、仏に仕える立場のお人が、そんなこと言っていいんすか!?」
「私は良いと思いますよ。」
「シゲ先生!?」
そう言ったのは、私達のやり取りを静観していたお医者さんだった。
「檜扇湖亀さんとやらは、そう言われるだけのことをしたんじゃないかい?」
「しました!!!」
シゲ先生の言葉に、顔を上げて即答する僧侶。


