「焦った檜扇湖亀は、血のつながりさえあればいいから、息子の愛人の子供まで調べさせた。」
「最初にタイ人の孫、バークリックとマニーラットを調べるため、日本に呼び寄せた。検査したけど、結果はダメだった。」
「適合しなかったのですか・・・。」
「次に、寺の娘の孫と、タカラジェンヌの孫と、看護師の孫も調べたが、こちらもダメだった。」
「え!?その3人の存在、湖亀さんは知らないって、舟槙(しゅうま)さんは言ってましたよ!?」
「嘘をつかれたんだよ、凛たん。」
「嘘を!!?」
フーと煙を吐きながら烈司さんは言う。
「高野舟槙(しゅうま)も檜扇湖亀と口裏合わせてんだろう。寺の孫と、タカラジェンヌの孫と、看護師の孫の存在、とっくに檜扇湖亀はご存じだ。」
「そんなっ!!」
信じてたのに!!
(舟槙(しゅうま)さんを信じていたのに!!)
私、騙されたってこと!?
〔★凛は命に係わる詐欺にあいかけた★〕
「3人とも調べて、けっきょく誰も適合しなくて、最後に残ったのが瑞希だ。瑞希が檜扇湖亀のドナーに適合するか、検査を瑞希に頼む段階で、凛たんの存在が発覚したんだよ。」
「つまり、純粋な凛道を手なずけてからドナーの話をして同情を買い、凛道を味方につけ、凛道の口添えで瑞希にドナー検査を受けさせるつもりだったのだ。」
「そんな・・・・・・・・!!」
「聞いてないっすよ!!?その話!!?」
「可児君。」
こぶしを震わせ、額に青筋を浮かべながら可児君は言う。
「奴ら凛さんをだまして、凛さんの臓器を奪う気でいたんすか!?」
「心配しなくても、凛たんはドナーにはなれない。」
「そうですよ!僕は――――――――」
(瑞希お兄ちゃんとは、血のつながりのない赤の他人―――――――――え!?)
「え!?瑞希お兄ちゃん・・・・!?」
なんでできないって、断言したの?
そう思ったら、背中に冷たい物が走った。


