彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「育てたって、獅子島さん!?」
「捕まえるよりも合理的だろう?武器はいつでも使えるようにしておくものだ。」
「害虫を武器に使うのは二度目ですよね、獅子島さん!!?」
「バイオテロもあるんだ。害虫テロもあっていいだろう。」
「あなたが一番怖いですよ、獅子島さん!?」
「フン、褒めても勉強ぐらいしか見てやらんぞ。」
「見てくれるんですか!?優しい!!」
「よかったな、凛!つーことで、あばよ!!ゴキブリがお似合いなクソ共・・・!!」







無表情で告げると、私を抱き上げた状態でエレベーターに向かう瑞希お兄ちゃん。
これに、何事かと様子を見ていた病室の外にいた金の亡者たちから悲鳴が上がる。





「なんて量のゴキブリだ!!」
「た、助けないと!」
「そうだ!助ければ、印象が良くなるが~!」
「あなた行きなさいよ!」
「お前が行けよ!夫のために役に立て!」
「ぎゃー!?こっちきた!来るな来るな!」
「ゴキブリ倒すとかできなーい!!」





醜いBGMを聞きながら、瑞希お兄ちゃんを先頭に病室から立ち去る私達。







(しょ、初代はやることが無茶苦茶だぁ~)







そう思いながら、瑞希お兄ちゃんの肩越しに病室の方を見れば――――――――








「チッ!どいつもこいつも・・・。」








逃げ惑う病室内で、1人だけ冷静にゴキブリを駆除している人の姿が見えた。








(ヘルメットマンさん!!)








檜扇柊護だけが、どこにおいていたのか、殺虫剤と雑誌を使ってゴキブリを殺しまくっていた。








(・・・・・なんだかヘルメットマンさんだけ、湖亀さん達と違う感じがする・・・・・・)








その様子に違和感を覚えつつも、私を運ぶ瑞希お兄ちゃんがエレベーターに乗り込み、獅子島さんが11階ボタンと閉めるボタンを押したことで、ゴキブリが暴れまわるフロアの惨劇は見えなくなるのだった。