彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「み、瑞希お兄ちゃ・・・!?」
「行こう、凛。」







何事もないように言うと、私をかばうように歩き始める。
そんな私の背後から声が上がる。





「わははは!!ドア、とれちまったから、立てかけとくぜ。」
「修理費用は、以前、渡した名刺の連絡先に請求してくれ。」





いつも通りうるさい声で言う百鬼と、淡々と事後処理を伝える獅子島さん。





(『以前、渡した名刺』・・・??)





気になったけど、聞き返せない。
同時に、振り返れない。







「凛・・・!」
「瑞希お兄ちゃん・・・?」







真摯な目で私を見つめてくる愛するお方から、目が離せなかったから。





「蓮クン待って!!」
「舟槙(しゅうま)さん・・・。」





その声で、思わず立ち止まってしまったが――――――――







「チッ!」

ヒョイ!

「瑞希お兄ちゃん!?」







眉間にしわを寄せた瑞希お兄ちゃんが私を抱き上げる。







(ええ!?)

それもお姫様抱っこ。








そして、まっすぐ正面を見ながら言った。





「帰るぞ、凛。シゲ先生も、鳥恒先生も、行きましょう。」
「そうだね、瑞希君。」
「その通りだ!帰ろう!帰ろう!!」
「伊織、皇助、引き上げるぞ。」
「わかってる。」
「わはははは!」





瑞希お兄ちゃんの言葉に同意する、獅子島さんと百鬼。
ふいに百鬼が、何か大きな箱を部屋の中へ――――――――湖亀さんの方へとぶん投げた。







「きゃああ!?」
「危ない、大伯母様!!」

バーン!!







舟槙(しゅうま)さんが、百鬼が投げつけた物を叩き落とせば、床が黒く染まった。







ゾロゾロゾロ!!







それを見て、口ひげエロ親父が叫んだ。