「手加減しました!?」
「いいえ、手加減なしで蹴りました。普通なら気絶して動かないのにも関わらず、動き続けるとは――――――――彼らは、違法ドラックをしているね。」
「違法ドラック!?」
思わず、湖亀さんの方を見る。
彼女は両手を合わせ、微笑を浮かべ、祈りのポーズで私を見ていた。
「っ・・・!!」
その姿にゾッとする。
(湖亀さんは病弱で、優しい人だったんじゃなかったの!?)
違うの!?
(私は、見誤ったのかもしれない!!)
湖亀さんは良い人じゃない!!
(善人に擬態してるだけの、悪人だ!!!)
そう自覚した時には手遅れだった。
「さあ、大人しくDNA鑑定を受けるんだ、蓮!!」
逃げ道であるドアを背に、追いつめられてしまう私達3人。
その時だった。
「わーはっはっはっはっ!!」
聞きなれた笑い声がしたのは。
ガコン!!
(え!!?)
ドアが取れた。
いや、外れた。
「な、なんだ!?」
「なんなの!?」
驚きの声を上げる一同の前に、その人は現れた。
「凛っ!!!」
「瑞希お兄ちゃん!!!?」
「俺様もいるぞ!!」
「俺もだ、凛道。」
久しぶりに見る大好きな人。
私の胸は高鳴る。
ドアを外した百鬼の横を、瑞希お兄ちゃんがすり抜けて病室に入ってくる。
愛しいお方は、真っ先に私に近づくと目線を合わせながら聞いてきた。
「凛、無事か!!?怪我はないか!!?」
「あ、ありません・・・。」
恐る恐る答えれば、
「よかった・・・!」
(え!?)
ギュッ!!
「っ!?」
きつく抱きしめられた。
「瑞希!!」
「瑞希ちゃん!!」
檜扇二三人と湖亀さんが、瑞希お兄ちゃんの名前を呼ぶ。
しかし、瑞希お兄ちゃんは、全く反応しない。
数秒私を抱きしめると、私の肩を抱いて檜扇家と高野家の人々に背を向ける。


