彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「手加減しました!?」
「いいえ、手加減なしで蹴りました。普通なら気絶して動かないのにも関わらず、動き続けるとは――――――――彼らは、違法ドラックをしているね。」
「違法ドラック!?」







思わず、湖亀さんの方を見る。
彼女は両手を合わせ、微笑を浮かべ、祈りのポーズで私を見ていた。





「っ・・・!!」





その姿にゾッとする。





(湖亀さんは病弱で、優しい人だったんじゃなかったの!?)

違うの!?

(私は、見誤ったのかもしれない!!)

湖亀さんは良い人じゃない!!



(善人に擬態してるだけの、悪人だ!!!)





そう自覚した時には手遅れだった。







「さあ、大人しくDNA鑑定を受けるんだ、蓮!!」







逃げ道であるドアを背に、追いつめられてしまう私達3人。
その時だった。








「わーはっはっはっはっ!!」








聞きなれた笑い声がしたのは。





ガコン!!

(え!!?)





ドアが取れた。

いや、外れた。





「な、なんだ!?」
「なんなの!?」





驚きの声を上げる一同の前に、その人は現れた。








「凛っ!!!」

「瑞希お兄ちゃん!!!?」


「俺様もいるぞ!!」
「俺もだ、凛道。」








久しぶりに見る大好きな人。
私の胸は高鳴る。
ドアを外した百鬼の横を、瑞希お兄ちゃんがすり抜けて病室に入ってくる。
愛しいお方は、真っ先に私に近づくと目線を合わせながら聞いてきた。








「凛、無事か!!?怪我はないか!!?」

「あ、ありません・・・。」








恐る恐る答えれば、








「よかった・・・!」


(え!?)

ギュッ!!

「っ!?」








きつく抱きしめられた。





「瑞希!!」
「瑞希ちゃん!!」





檜扇二三人と湖亀さんが、瑞希お兄ちゃんの名前を呼ぶ。
しかし、瑞希お兄ちゃんは、全く反応しない。
数秒私を抱きしめると、私の肩を抱いて檜扇家と高野家の人々に背を向ける。