「乱暴なことはしたくなかったけど、蓮ちゃんが悪いのよ。」
「ちょ!?湖亀さん!?」
「あなた達、蓮ちゃんを捕まえなさい!!」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
湖亀さんの言葉に、青スーツの人達が私に迫る。
「ええ!?ちょっと――――――――!?」
「フン!ついに本性を出したな、メギツネめ!!」
「困りましたね。」
「『借り物』だけでは、心もとない!親衛隊も凛道蓮君を捕まえろ!!」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
「『借り物』!?って、ちょっとどういう意味で―――――――――!?ええ!?達比古教授――――――――!?」
老人の側に控えていた黒スーツの男達も、私めがけて突進してきた。
(戦うしかないか!!?)
そう思い、常備しているトンファーを出そうとした時だった。
「てやぁ!!」
ブーン!
ドスン!!
「うわ!?」
「え!?鳥恒先生!?」
私を捕まえようと手を伸ばした、青スーツの1人を投げ飛ばした。
「え――――!?今のは背負い投げ――――!?」
「柔道でいうところの手技(しゅぎ)ですね。」
ご老体とは思えない鳥恒先生の技を、シゲ先生が穏やかな口調で言う。
「こっちに来るんだ、凛道蓮君!」
「なっ!?」
そう言って、私に手を伸ばす別の黒スーツの1人。
今度こそ、トンファーを出そうとしたのだが―――――――
「ダメですよ。」
メリ!
「ぎゃあ!?」
「無理やり捕まえるのは、犯罪です。」
「ぎゃああああああああああああ!!」
静かな声で語りながら、黒スーツの男性の腕をひねり上げるシゲ先生。
「よいしょ。」
ブーン!
ズシャ!!
「あぎゃ!!」
そして、そのままぶん投げた。
「強っ!?シゲ先生強い!!格闘技してたのですか!?」
「護身術ですよ。暴れる患者さんやお亡くなりになったご家族を蘇生させろというご家族さんとかが襲ってくるからね。」
「言われてみれば、そんなニュース聞いたことがありますね!?」
「医療従事者たるもの、護身術の習得も必要なのですよ。」
〔★この場をお借りして、どんな患者さんにも平等に献身的に尽くした名医中の名医、医師の鈴木純一さん(享年44歳)に敬意と黙とうをささげます★〕


