彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






動揺したが、同時に1つの答えが導き出された。







(鳥恒先生は、苗字だけじゃなく、名前まで変えていたってことだけど――――――――つまり、それだけ自分の実家を嫌ってるってこと・・・・・?)

実家を、生家を嫌っている・・・

(それって、瑞希お兄ちゃんと同じ気持ちってことになるよね・・・・・・?)







そう思ったら、胸がざわつく。







嫌な予感がする。







そんな思いで鳥恒先生を見ていたら、後ろから話し声が聞こえた。







「達比古さん、いったいどうやって連れて来たの?」
「ははは!聞いて驚くなよ、湖亀!凛道蓮くんと一緒にいたんだ!!」
「蓮ちゃんと一緒に!?」
「おいおい、ここは檜扇家がワンフロア貸し切ってるんだぞ!?どうやって入り込んだんだよ!?まさか!?凛道蓮クンが手引きしたのか!?」
「え!?」







槙雄(まきお)さんの言葉に思わず振り返れば、全員が私を見ていた。







「どうなんだ!?凛道蓮くん!?」
「あ、えっと・・・」







問いただしてくる柊護(しゅうご)さんの祖父。
返事に困っていれば―――――――――







「そんなことどうでもいいわ、槙雄(まきお)!」
「湖亀さん。」







病弱な老女がかばってくれた。
どういうわけか、さっきまで弱っていたはずなのに、今はすごく生き生きしていた。







「嬉しいわ~何十年ぶりの再会かしら!?お元気だった、辰也(たつや)君?」







朗らかな口調で湖亀さんが話しかけた瞬間だった。








「黙れメギツネ!!!貴様は、わしの名前を呼ぶな!!!」








鳥恒先生が激昂したのは。








「何を企んでやがる、高野湖亀!!?」
「鳥恒先生・・・!?」








鬼のような形相で湖亀さんを、旧姓で呼びながら問いただす鳥恒先生。
これに湖亀さんは、変わらぬ笑顔で告げる。








「何も企んでなんていませんよ?それと、私の名前は檜扇湖亀です。まだ覚えて下さらないの?」
「黙れ!!貴様が父上と兄様にしたことは忘れんぞ!!この妲己(だっき)の再来めっ!!」
「だ、妲己って、鳥恒先生!?」

そこまで湖亀さんを悪く言っちゃうの!?



〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
妲己(だっき):中国の殷王朝末期(紀元前11世紀ごろ)の帝辛(ていしん)、一般には『紂王(ちゅうおう)』と呼ばれる王が一番愛した女性で、有蘇氏との戦いに勝った時に献上された娘で、悪女の代名詞的存在として扱われる人物だよーん☆彡