彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




「雷太!ホッカイロ貼ってあげるよ!」
「え!?り、凛先輩!?」



雷太の腕の中で、ホッカイロを開封して、貼れるようにする。
そして、片手を雷太の背中から離し、雷太が来ているジャンバーの中に突っ込む。





「うわ!?」
「え!?冷たい!?」

(服の中まで冷たい!?)

「本当に、待ってた時間は1時間だったの!?」
「・・・。」





私の問いに、そっぽを向いて答えない雷太。





(絶対に1時間じゃないな、これは!!)





そう思いながら、背中にホッカイロを貼る。





バシ!

「いて!?」
「温めなきゃ!とりあえず、ほら!貼らないタイプのホッカイロ持って!」





私が使っている分を差し出すが―――――――――





「それは凛先輩のもんス。」
「はあ?ホッカイロ貼ってあげたのに、今更でしょう!?」
「だからっす!これ以上、もらえないっす!!」





断固として受け取らない中学生。
仕方がないので、実力行使に出た。





「いいから、受け取れ!」





背伸びして、片手に持ったホッカイロを、雷太の片方のほっぺに押し付ける。





ボフ!
「うっ!?」





それで険しかった雷太の表情が緩む。





「あったけー・・・」





フニャンとした顔で、前かがみになる雷太。
そこで私は、開いている手でホッカイロを持って、雷太のもう片方のほっぺたに押し付けた。





「うわーマジあったけー♪」
「11月の寒さ、なめたらだめだぞ?」
「うっす・・・!」





嬉しそうに言うと、ギュッと私を抱き寄せる雷太。
背伸びしなくても、良い距離までかがんでくれるので、雷太のほっぺを温めやすい。





「・・・ホッカイロもだけど、凛先輩もあったけー・・・」
「完全防備してるからね?」





そう伝えれば、雷太が目を閉じる。
そして、私を抱きしめる力を再び強める。







「雷太?どうしたの?早くお店に入ろうよ!」
「俺、ずっとこのまんまがいいな・・・」
「え?」
「俺ずっと、凛先輩と――――――――――――!!」


「凛!!!」







雷太の言葉を、あのお方の声がかき消した。







「凛!!中坊と、店の前でなにやってんだ!!?」
「瑞希お兄ちゃん!!」







声のした方を見れば、目を見開いた瑞希お兄ちゃんが立っていた。
いたのは、瑞希お兄ちゃんだけではない。