「ひどい!あれだけ、誰にも言わないでって言ったのに!よりによって、シゲ先生達に話しちゃうなんて!」
「ひどいものか!!良信の判断が正しい!!」
「そうだよ、蓮君。良信君は、蓮君に嫌われてるのを覚悟で、私達に暴露したんだ。それだけ、蓮君の身の安全を心配していたんだよ?それをひどいと評価するのは、違うんじゃないかな?」
「でも、シゲ先生!」
「蓮君だって、瑞希君のために、危険を覚悟で、檜扇家と高野家の人達に会っているじゃないか?それなのに、良信君を責めるのかい?」
「っ!?―――――――そう、でしたね・・・・・・・」
可児君は、意地悪でバラしたんじゃない。
私を思って、暴露したんだ。
(そう・・・可児君はいつだって、私の心配をしてくれる。)
友達思いの良い人じゃない。
それなのに――――――――――可児君が悪いみたいに言ってしまった。
「訂正します。可児君、ひどくないです。」
「わかってもらえてよかったよ。さあ帰ろう、蓮君。」
「こんな魑魅魍魎(ちみもうりょう)がいる場所に、いつまでもとどまれん!」
そう言って私の手をつなぐシゲ先生と、私の肩を抱く鳥恒先生。
「あ、待って下さい!僕、お見舞いの途中で、お手洗いだと言って、病室から出てきたところでして~」
「ちょうどいい!帰るのにはちょうどいいじゃないか!!」
「そうだね。不良流に、バックレるをしよう。」
「ええ~!?」
さあ行こう、さあ行こう、と私を誘導する先生方。
(このまま、黙って帰っちゃっていいのかな!?)
泣いてる湖亀さんを残して帰るのは気が引ける。
だけど、シゲ先生が――――――信頼できる人に帰ろうと言われたら断れない。
若干、混乱しながら歩き始めた時だった。
「凛道蓮くんじゃないか!?」
またしても、私を呼ぶ声がした。
「え?どちらさ―――――――あ!」
3人一緒に声のした方を振り返る。
相手は、またしても私の知ってる人だった。
「檜扇達比古(ひおうぎたつひこ)教授!」
湖亀さんの夫で、若い愛人もいるし、若い女性と平気で浮気するゲテモノ食いの獣医学部の教授だった。
護衛の人らしい黒スーツの人達を十数人引き連れ、私の方を見て立ち尽くしていた。


