彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「僕はそんなつもりはありません!むしろ、本当にお金が欲しいなら、あなた方の要求にこたえています!」
「焦らして、もらえる金額を吊り上げる計算じゃないのか?」


(ひどい!!)

「なんでそんなひどいことを言うのですか!?僕がそんな人間に見えるのですか!?」
「や、やめて!柊護ちゃん!柊護ちゃん・・・・蓮ちゃんは、良い子なの・・・!お金目当てなんてあだ名をつけないで!そんな呼び方、しないでちょうだい!」

「わかりました、おばあ様。」







湖亀さんがかばってくれたこともあり、柊護さんの暴言は止まる。





(なんでなの、ヘルメットマンさん!?)

あんなに優しかったのに!

いつも私を助けてくれたのに!

どうして、そんなに私に敵意を向けるの!?

(わけがわからないよ・・・・・・・!!)





ヘルメットマンさんの言葉にうなだれていれば、舟槙(しゅうま)さんが声を上げた。





「お、おばあ様!凛道蓮クンは――――――トイレに行きたがってましたよね!?行かせてあげて下さい!」





その場の空気を換えるためか、私の言葉を掘り返す舟槙(しゅうま)さん。
それで、呼吸を整えながら湖亀さんはつぶやく。





「・・・そうね。そう・・・だったわね・・・。」





そう言うと、ギュッと強く私の手を握ってから放す。





「蓮ちゃん・・・場所はわかるかしら?舟槙(しゅうま)ちゃんを付き添いにつけましょうか?」
「いえ、お気遣いは無用です・・・。」
「わかったわ・・・だから――――――必ず、帰って来てね?ね?ね?ねぇ?」





半泣きの顔で訴えられ、何とも言えない気持ちになる。





「・・・大丈夫です。終わり次第、戻ってきますので。」
「約束よ?約束したからね?」
「はい・・・。」
「じゃあ、いってらっしゃい・・・・!」
「行ってきます・・・。」





湖亀さんに一礼し、背を向けて、無言で部屋から出る。
病室の外の銭ゲバ達が笑顔を向けてきたので、深々と会釈してから離れた。