「すみません、こんな時にあれですが、お手洗いに行きます。」
「蓮!!トイレに行くなら、ついでに尿検査をして、健康診断を受けろ!!」
「テメー・・・いい加―――――――――――!!」
「いい加減にしなさい、二三人っ!!」
見かねた母親の湖亀さんが、バカ息子を注意する。
その直後だった。
「ううっ!!?」
「湖亀さん?」
老女が、胸を抑えて前かがみに丸まってしまったのは。
「おばあ様!?」
「姉さんっ!?」
「大伯母様!?」
「「伯母様!?」」
「か、か、母さん!?」
全員が、湖亀さんにかけよる。
「湖亀さん、大丈夫ですか!?」
私も、みんなから一歩で遅れて、湖亀さんの方へと近づく。
見れば、苦しそうにする湖亀さんの背中を柊護(しゅうご)さんと長月さんがさすり、代佳子(よかこ)さんが額に手を当てて熱をはかり、槙雄さんが身体を支え、舟槙(しゅうま)さんが脈をはかり、檜扇二三人がすがりついていた。
(すがりついて体調がよくなるかボケ!!役立たずのキーワードも、追加していいわ、檜扇二三人!!)
そう思いながら、私が最後にかけよれば、老女の手が私の方へ伸びてきた。
「れ、蓮ちゃん・・・!」
「湖亀さん!!」
思わず手を握れば、涙声で老女がつぶやく。
「瑞希ちゃんに会いたい・・・・・・。」
そう言って、泣き出す湖亀さん。
「っ・・・!」
これに返事が出来ず、無言で手を握るしかない私。
「瑞希ちゃん・・・瑞希ちゃん、許して・・・瑞希ちゃん・・・。」
シクシク泣きながら、私の愛する人の名を呼ぶおばあさん。
「湖亀さん・・・。」
「蓮!!、これでもまだ、姉さんと瑞希を会わることに協力できないのか!?」
「で、ですから!会話にすらならないと―――――――!」
「大叔父様、金目当てに頼り過ぎです。別の手段も考えた方が良いですよ。」
「か、金目当てって!?」
再び、ヘルメットマンさんからひどい呼ばれ方をする。


