彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「すみません、こんな時にあれですが、お手洗いに行きます。」
「蓮!!トイレに行くなら、ついでに尿検査をして、健康診断を受けろ!!」
「テメー・・・いい加―――――――――――!!」
「いい加減にしなさい、二三人っ!!」





見かねた母親の湖亀さんが、バカ息子を注意する。
その直後だった。





「ううっ!!?」
「湖亀さん?」





老女が、胸を抑えて前かがみに丸まってしまったのは。





「おばあ様!?」
「姉さんっ!?」
「大伯母様!?」
「「伯母様!?」」
「か、か、母さん!?」





全員が、湖亀さんにかけよる。





「湖亀さん、大丈夫ですか!?」





私も、みんなから一歩で遅れて、湖亀さんの方へと近づく。
見れば、苦しそうにする湖亀さんの背中を柊護(しゅうご)さんと長月さんがさすり、代佳子(よかこ)さんが額に手を当てて熱をはかり、槙雄さんが身体を支え、舟槙(しゅうま)さんが脈をはかり、檜扇二三人がすがりついていた。





(すがりついて体調がよくなるかボケ!!役立たずのキーワードも、追加していいわ、檜扇二三人!!)





そう思いながら、私が最後にかけよれば、老女の手が私の方へ伸びてきた。





「れ、蓮ちゃん・・・!」
「湖亀さん!!」





思わず手を握れば、涙声で老女がつぶやく。







「瑞希ちゃんに会いたい・・・・・・。」







そう言って、泣き出す湖亀さん。





「っ・・・!」





これに返事が出来ず、無言で手を握るしかない私。







「瑞希ちゃん・・・瑞希ちゃん、許して・・・瑞希ちゃん・・・。」







シクシク泣きながら、私の愛する人の名を呼ぶおばあさん。







「湖亀さん・・・。」
「蓮!!、これでもまだ、姉さんと瑞希を会わることに協力できないのか!?」
「で、ですから!会話にすらならないと―――――――!」


「大叔父様、金目当てに頼り過ぎです。別の手段も考えた方が良いですよ。」

「か、金目当てって!?」







再び、ヘルメットマンさんからひどい呼ばれ方をする。