「蓮ちゃん、蓮ちゃんがお金も肩書も認知もいらないという気持ちはわかりました。でも、大人として責任を取らせて。蓮ちゃんが一生遊んで暮らせるような生活を保障するわ!それしかばあばにはできないから!だから―――――」
「湖亀さん、お気持ちはありがたいですが、僕は――――――!」
「愛する瑞希ちゃんを、私の元に連れてきて下さい・・・・・!!」
深々と頭を下げられ、激しい頭痛を覚える。
・・・わかった。
よーく、わかった。
(・・・・・・瑞希お兄ちゃんを諦める気がないということはわかった。)
ここまでしつこく食い下がるのは、それだけ残された時間が少ないからかもしれない。
ならば私も心を鬼にして、対応するしかないと思う。
「頭を上げて下さい、湖亀さん。」
罪悪感を覚えながら、顔を上げた湖亀さんに告げる。
「申し訳ございません。さすがの僕でも、これ以上、みなさんのお力にはなれません。瑞希お兄ちゃんを、湖亀さんのお見舞いに連れてくることは、行くように頼むことは僕にはできないのです。他の方にお願いして下さい。」
「蓮ちゃん・・・・・!」
「蓮!!ここまでわしらが頼んでいるのに、出来んと言うのか!?」
「まだ私達の誠意が伝わらないの!!?いくらなんでも、頑固すぎるわよ!!?」
「なんと言われようと出来ません。僕には―――――――――――」
(瑞希お兄ちゃんが嫌がることなんてできない!!!)
「また来てたのか、金目当て?」
私の言葉が遮られる。
言われた言葉よりも先に、言った相手の存在に驚いた。
「ヘルメッ・・・檜扇柊護(ひおうぎしゅうご)さん!!?」
いつの間に病室に入ったのか、湖亀さんの孫であるヘルメットマンさんが現れた。
彼は舟槙(しゅうま)さんを見てから、私へ視線を移しながら言った。


