彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






なにが、普段の瑞希ちゃんを知りたいだ!!?



(私は素の真田瑞希様を知るまでに、半年以上かかったんだぞコラッ!!?)



それを簡単に話せってか!!?

探偵の調査じゃわからない、内面を知りたいだと!?

だから私にしゃべれって言うのか!!?



(私だけが知っている瑞希お兄ちゃんの話をしろって言うのかクソババア――――――――!!!)



金もかけずに、素の瑞希お兄ちゃんを知りたいとは、図々しい!!

私を利用する気か!?



〔★相手側の凛の利用は、最初から明白だ★〕





瑞希お兄ちゃんと仲良くなるために時間をかけ、信頼を得るために努力をコツコツ重ねてきて、やっとの思いで手に入れた誰も知らない真田瑞希様の話をしろだとぉ~~~~~!!!?



(私が独り占めしてる真田瑞希様の情報を、誰が放出するかバーカ、バーカ!!)



「蓮ちゃん?どうしたの、急に黙り込んで・・・?」
「え!?あ、いえ、その・・・・・」

(どーすっかな・・・)





ハッキリ言って、素直に瑞希お兄ちゃんの情報を渡す気はない。
努力しないで楽して情報を得ようというのが気に入らないから。
だからと言って、知らないというのは、【真田瑞希様に溺愛されている立場上】無理のある話になる。
そう思案した結果―――――――――





(誰でも知ってる話だけしよう。)





当たり障りのない情報を告げることにした。





「み、瑞希お兄ちゃんは――――――――バリスタの勉強を、今は頑張っています。」
「バリスタ・・・コーヒーについての勉強ね?」
「そ、そうです!」
「瑞希ちゃん・・・コーヒー店で働きながら、自宅でもお店をしているそうだけど、お金の方は大丈夫なのかしら?」
「だ、大丈夫だと思います!瑞希お兄ちゃん、考えて行動する人ですから。」
「本当に?お金に困ったりしてない?」
「困ってません。聞いたことがありませんから。」
「言ってないだけじゃないのか!?」
「二三人。」





そう言ったのは、私の背後の方に陣取っていた口ひげの超エロ親父。