「可児、電話だ。出ろ。」
「高野舟槙(こうやしゅうま)だったら、どうしますか?」
「・・・ガチャ切りしろ。」
「はあ!?どういうつもりだ、凛道!?」
「考えがあるんです、円城寺君!僕に一任して下さい!」
「大河!!凛を信じろ!」
「くっ!しくじるなよ!?」
「可児、電話に出てくれ!」
「押忍!!」
私の指示に、どこか嬉しそうに返事をすると電話に出る副総長。
「もしもし、慶良寺です。・・・・・あん、誰だって?」
前者は穏やか声で、後者はヤンキー声を出す可児君。
「二度とかけてくんなや!!」
ガチャン!!
暴言と共に、電話を乱暴に切る。
それで電話の相手が舟槙(しゅうま)さんだったとわかる。
「凛さん、高野でした!」
「ありがとう。」
「マジでこれで良いのかよ、凛道!?」
「しつこいぞ、大河!凛が良いって言うんだから、良いだろうが!!」
「ありがとう、カンナさん。今は、様子見なので、耐えて下さい、円城寺君。」
「けっ!わかったよ!」
「様子見はわかりましたが凛さん・・・またかけてきますかね?」
「うははは!かけてくるやろー!」
可児君の問いに答えたのはヤマト。
「相手さん、えらい凛に、執着しとったからのぉ~!!再チャレンジするわ!うははは!なぁ、凛!?」
「どうでしょうね・・・・・」
(またかけてきたら、こちらの有利になる条件を飲ませればいいだけなんだけど。)
プルルルル!プルルルル!
「凛さん!電話っす!!」
「うははは!わし、高野舟槙(こうやしゅうま)さんであることに100ルーブル賭けるわ!」
「価値の暴落した紙幣で、くだらない賭けをしないで下さい、ヤマト。」
「俺が出ましょうか、凛さん!?」
「可児君の家の家電ですからね。」
「即切りしますね!?」
「お願いします。」
「押忍!!――――もしもし、慶良寺です。・・・・・あん、またテメーか?二度とかけてくんなや!!」
ガチャン!!
2回目の電話も、可児君によって塩対応で切られる。


