彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「可児君、舟槙(しゅうま)さんに何言ってるんですか!?」
「ははは、照れてるんすね、凛さん?」
「照れてませんよ!!舎弟とかそういう表現イヤだって、僕いつも言ってるよね!?」
〈もしもし、蓮クーン!?大丈夫!?もめごと!?俺との電話、続けられるー!?〉
「あ、すみません!話を続けましょう!」
いろいろ言いたくて脱線しかけたけど、優先順位は舟槙(しゅうま)さんが先だ。
「舟槙(しゅうま)さん、スマホの方にかけてくれたのに、つながらなくてすみませんでした!充電切れで、完全に僕の落ち度です!」
〈あ~やっぱり、充電ぎれだったんだね。いいんだよ、気にしないでいいよ。〉
「本当にすみません!それであの―――――僕に用件があって、この番号に電話してきたと思いますが――――」
〈そうなんだ!勝手を承知の上で、お願いしたい!しばらく、大伯母様の元へ通ってもらえないか?〉
「え!?僕が湖亀さんのお見舞いを続けるのですか?」
〈ああ!俺達だけじゃなく、主治医の目から見ても、蓮クンが来た日の大伯母様の体調がすごく安定して調子が良いんだ!〉
「そうなのですか?」
〈そうなんだよ!蓮クンは、大伯母様にとって最高の薬なんだよ!だからお願いだ!明日も、顔を出してくれないかな・・・!?〉
「それは――――――――――・・・・・・・・・・」

私なんかを見て、そんなに元気が出るものなの?

あ!?もしかして――――――――



(孫だと勘違いしてるから、元気が出てるんじゃないでしょうね・・・)



あり得る可能性に、良心が痛む。







いい加減、誤解されたままもよくないから、舟槙(しゅうま)さんに伝えた。