突然のことに戸惑ったが、相手があまりにも悲しそうな顔をしていたので―――――――
「僕は大丈夫ですから、そんな顔しないで下さい、カンナさん。」
つい、抱きしめてしまった。
同性同士で抱き合うことがないため、すごくドキドキした。
瑞希お兄ちゃんとは違った意味で、緊張してしまった時だった。
コンコン!!
部屋のドアをノックする音がした。
それで帰ってきたのだと思えば、カンナさんが私から離れる。
うつむいている彼女が気になったが、ドアに向かって声をかけた。
「お帰り、可児君!どうぞ入って下さい。」
「凛さん、失礼します・・・。」
相手は副総長だった。
しかし、様子がおかしい。
元気いっぱいで出て行ったはずが、元気をなくして戻ってきた。
それも―――――――――
「なんだか、深刻な表情ですが、なにかありましたか?」
「うははは!ウーバーで頼んだ飯が足りへんのか!?」
「ウーパーで注文した飯を、床に落としたのかよ?」
「つーか、訪ねてきた相手がウーパーじゃなかったのか?」
「ウーパーから1度離れやがれテメーら!!ウーパーは来た!!てか、そうじゃねぇ!!」
仲間達にツッコミを入れると、私を見ながら問題ありげの顔で可児君は言った。
「凛さん実は・・・ウーバーを受け取って部屋に戻る途中、家電が鳴りまして。」
「電話がかかってきたのですか?」
「はい・・・出てみたら、相手は『高野舟槙(こうやしゅうま)』で・・・」
「舟槙(しゅうま)さん!?」
「その・・・凛さんに取り次いでほしいと・・・言われまして。」
「え!?なんで、僕が可児君の家にいることがわかったんだろう!?」
というよりも――――――――
「どうして僕のダミー用のスマホにかけてこないの!?」
何のために番号を教えたと思ってるのよ!?
「うははは!凛!凛!りーん!ダミーのスマホ、最後に充電したのはいつやー!?」
「充電・・・?あ!?」
まさかと思い、危険人物用のスマホを取り出す。
見れば、画面が真っ黒になっていた。


