「え?僕に下さるのですか?」
「・・・。」
「あ、ありがとうございます!いただきます!」
駄菓子屋さんで売ってる大きなアメで、シルキロールの下から口に入れる。
途端に、シュワッと雨が溶け出す感覚が口の中に広がる。
(この大粒のアメ玉、シュワシュワして美味しいのだよね~♪)
〔★凛は餌付けられかけている★〕
甘くてシュワシュワするお菓子をもらったことでテンションが上がる。
「美味しいです♪本当にありがとうございます!」
ギュワワワ―ン!!
私が感想を述べるのと、エンジンがかかるのは同時だった。
「え?移動するのですか?」
ギュワーン!!
私の問いに、そうだと言わんばかりに、直感コールをする相手。
それで慌てて、ヘルメットマンさんの腰に両手を回す。
ギュワワワ―ン!!―――――――――ギュワーン!!
私が抱き着くや否や、単車が緩やかに動き出した。
(出だしはゆっくり目だけど、走り出したらハイスピード・・・)
ヘルメットマンさんの後ろで風を感じながら、山道を下っていく私達。
「ヘルメットマンさん!次はどこに行くのですか!?」
「・・・。」
行き先を聞くけど、教えてくれない。
それにワクワクしながら、シートに座り直す私。
ふと、メーターを見れば、安全速度ギリギリで飛ばしてくれているのがわかった。
もう先ほどまで感じていた反省や後悔、不安などは全くない。
なんだか瑞希お兄ちゃんみたいに優しい人だと思いつつ、ヘルメットマンさんとの2ケツを楽しんだのだった。
〔★凛は危険を楽しみに変えた★〕


