彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




湖亀さんが指定した8号室は、豪華な作りの部屋だった。
湖亀さんがいた病室よりはグレードは下がるが、それでも一般人の私から見たらいい部屋だと思った。
部屋につくと舟槙(しゅうま)さんは、常備されていたらしい介護用シャンプーを手にしながら言った。



「蓮クン、そこに座って。シャンプーするから。」
「そんなに、ぶどうくさいですか?」
「うーん、多めに香水つけてるぐらいには、におうね。」
「それなら、香水をつけてるということで誤魔化せませんかね?」
「そんなにお風呂が嫌いなの!?貧乏神に好かれちゃうよー?」
「貧乏神は困りますね。」
「でしょ?どうせ、湯船もシャワーもしないで、これからシャンプーするんだから、大人しく身を任せなさい♪」



そう言われ、しぶしぶ、フカフカなソファーに座る私。
そんな私の背後に回ると、私の頭に介護用シャンプーをかける舟槙(しゅうま)さん。







「蓮クン、確認したいことがあるんだけど・・・。」
「なんでしょう?」
「蓮クンも・・・認知されてない・・・・・ことになるんだよね?」
「え!?」

(また勘違い発言キタ――――――!!てか、どうして悪い方に考えてるの!?)

「認知も何も、僕は赤の他人です!!」
「まだ意地を張るの?いくら、二三人伯父さんが存在を忘れちゃってたとはいえ――――――認知は、してもらっておいた方が君のためなんだよ。してもらいなよ?」
「それは僕じゃなくて、瑞希お兄ちゃんに言うべきセリフですよ、舟槙(しゅうま)さん!?二三人さんの話しぶりじゃ、慰謝料はもちろん、養育費は絶対に払ってないと思われますから!!養育費は請求しなきゃ!!」
「ああ、養育費は子供の権利だからね。親同士がいらないと取り決めても、裁判所に訴えれば一発で請求できるからね。」
「本当に呆れます!!瑞希お兄ちゃんのお母様をたぶらかして愛人にしたばかりか、その子供である瑞希お兄ちゃんを放置するなんて、許せません!!」







怒りを口にすれば、キョトンとした顔で舟槙(しゅうま)さんが言う。