「ええ、ええ・・・待ってますわ。待ってますからね、蓮ちゃん・・・!」
「じゃあ、行ってきますね、大伯母様。行こう、蓮クン。」
「・・・・・はい。」
(頭の回転が速い・・・・・)
檜扇湖亀(ひおうぎこき)の側を離れながら私は思う。
(檜扇柊護(ひおうぎしゅうご)は、切れ者だ・・・・・・!)
ここまでの流れで、重要な部分では、きっちりと発言してる。
的確で、その場にあった答え、提案をしてきている。
(ヘルメットマンさんって、頭がいい・・・・・)
そうじゃなきゃ、ヘルメットマンさんが、柊護(しゅうご)さんが発言してなきゃ、私はこの場から立ち去っている。
(うまく、引き留められてしまった・・・・・)
そんな思いで湖亀さんの病室を出て、舟槙(しゅうま)さんの後をついて行く。
舟槙(しゅうま)さんの背中を見ながら考えた。
(いつから、ヘルメットマンさんは、柊護(しゅうご)さんは、瑞希お兄ちゃんのことを知っていたのだろう・・・)
瑞希お兄ちゃんは柊護(しゅうご)さんの存在を知っているのかしら?
(どうして柊護(しゅうご)さんは、危険をおかしてまで、『ヘルメットマン』として私を助けてくれたのだろう・・・)
彼もまた、私が檜扇二三人(ひおうぎふみひと)の息子だと、勘違いしているのだろうか?
(異母弟だと勘違いしたから、私を助けてくれていたの?)
いや、それだとおかしい。
(瑞希お兄ちゃんも、柊護(しゅうご)さんの異母弟になるのに、瑞希お兄ちゃんはヘルメットマンさんに助けてもらってない。)
正体がバレてからは、ずっとそっけない態度をとられているのも気になる。
ヘルメットマンさんの素顔がわかった時、気さくに話せるんじゃないかと思っていたけど――――――――――
(今日まで1度も、私を見てくれない。視線を合わせてもくれない・・・。)
なんなんだろう、あの人。
謎だよ・・・。
(謎が多いよ、檜扇柊護(ひおうぎしゅうご)さん・・・・・)
わからないことだらけの正義の味方に、何とも言えない気持ちになる。
むしろ、正義の味方だったのかさえ、今となっては疑わしい。
それでも、助けられてきた事実は変わらない。
(信じよう・・・・・檜扇柊護(ひおうぎしゅうご)さんは、私の味方なんだと・・・・・!)
そう心に決め、ひたすら舟槙(しゅうま)さんの後をついて行くのだった。


