彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「ええ、ええ・・・待ってますわ。待ってますからね、蓮ちゃん・・・!」
「じゃあ、行ってきますね、大伯母様。行こう、蓮クン。」
「・・・・・はい。」

(頭の回転が速い・・・・・)





檜扇湖亀(ひおうぎこき)の側を離れながら私は思う。







(檜扇柊護(ひおうぎしゅうご)は、切れ者だ・・・・・・!)







ここまでの流れで、重要な部分では、きっちりと発言してる。
的確で、その場にあった答え、提案をしてきている。







(ヘルメットマンさんって、頭がいい・・・・・)

そうじゃなきゃ、ヘルメットマンさんが、柊護(しゅうご)さんが発言してなきゃ、私はこの場から立ち去っている。

(うまく、引き留められてしまった・・・・・)







そんな思いで湖亀さんの病室を出て、舟槙(しゅうま)さんの後をついて行く。
舟槙(しゅうま)さんの背中を見ながら考えた。







(いつから、ヘルメットマンさんは、柊護(しゅうご)さんは、瑞希お兄ちゃんのことを知っていたのだろう・・・)

瑞希お兄ちゃんは柊護(しゅうご)さんの存在を知っているのかしら?

(どうして柊護(しゅうご)さんは、危険をおかしてまで、『ヘルメットマン』として私を助けてくれたのだろう・・・)

彼もまた、私が檜扇二三人(ひおうぎふみひと)の息子だと、勘違いしているのだろうか?

(異母弟だと勘違いしたから、私を助けてくれていたの?)

いや、それだとおかしい。

(瑞希お兄ちゃんも、柊護(しゅうご)さんの異母弟になるのに、瑞希お兄ちゃんはヘルメットマンさんに助けてもらってない。)

正体がバレてからは、ずっとそっけない態度をとられているのも気になる。

ヘルメットマンさんの素顔がわかった時、気さくに話せるんじゃないかと思っていたけど――――――――――

(今日まで1度も、私を見てくれない。視線を合わせてもくれない・・・。)

なんなんだろう、あの人。

謎だよ・・・。

(謎が多いよ、檜扇柊護(ひおうぎしゅうご)さん・・・・・)








わからないことだらけの正義の味方に、何とも言えない気持ちになる。
むしろ、正義の味方だったのかさえ、今となっては疑わしい。
それでも、助けられてきた事実は変わらない。







(信じよう・・・・・檜扇柊護(ひおうぎしゅうご)さんは、私の味方なんだと・・・・・!)







そう心に決め、ひたすら舟槙(しゅうま)さんの後をついて行くのだった。