彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






(やっぱりこの人、バイクの運転が上手い!!)

「あの!前から思ってたんですけど、運転がお上手ですね!?」
「・・・。」





話しかけてみるが、やっぱり何も言わないヘルメットマンさん。
でも、不安はなかった。
今まで助けてきてもらったことから、ヘルメットマンさんに対して信頼が生まれていた。



「あの!ヘルメットマンさんって、男性ですか!?女性ですか!?」
「・・・。」
「あ、今のはセクハラじゃないですよ!?ただ、腰に手を回していいかどうか~密着しすぎるのはよくないかと~」

グイ!

「ええ!?」



運転しつつも、片手を私の方へのばすヘルメットマンさん。
そして、私の手を掴んで、自分の腰に回させた。





(・・・密着していいってこと・・・?)





それで恐る恐る両手を回し、背後からその身体にくっついてみる。





(・・・多分、男性だよね・・・?)





手触りからして、異性であると判断する私。





(細マッチョ系かな・・・・・?)





そう分析していれば、バイクの速度が上がり、知らない道を進み始めた。





「え!?ヘルメットマンさん、どこに行くのですか!?」

まさか――――――――私を知らないところに連れて行く気!?

(考えてみれば私、ヘルメットマンさんの顔を知らない。)

身元を知らない。

趣味も知らない。

知らないけど、助けてくれるから信用してた。

その結果が――――――抜け道みたいな場所を通ってのツーリング!?

(こんなことなら、『いかのすし』を守ればよかったー!!)





〔★凛は自分の行動に反省している★〕