(やっぱりこの人、バイクの運転が上手い!!)
「あの!前から思ってたんですけど、運転がお上手ですね!?」
「・・・。」
話しかけてみるが、やっぱり何も言わないヘルメットマンさん。
でも、不安はなかった。
今まで助けてきてもらったことから、ヘルメットマンさんに対して信頼が生まれていた。
「あの!ヘルメットマンさんって、男性ですか!?女性ですか!?」
「・・・。」
「あ、今のはセクハラじゃないですよ!?ただ、腰に手を回していいかどうか~密着しすぎるのはよくないかと~」
グイ!
「ええ!?」
運転しつつも、片手を私の方へのばすヘルメットマンさん。
そして、私の手を掴んで、自分の腰に回させた。
(・・・密着していいってこと・・・?)
それで恐る恐る両手を回し、背後からその身体にくっついてみる。
(・・・多分、男性だよね・・・?)
手触りからして、異性であると判断する私。
(細マッチョ系かな・・・・・?)
そう分析していれば、バイクの速度が上がり、知らない道を進み始めた。
「え!?ヘルメットマンさん、どこに行くのですか!?」
まさか――――――――私を知らないところに連れて行く気!?
(考えてみれば私、ヘルメットマンさんの顔を知らない。)
身元を知らない。
趣味も知らない。
知らないけど、助けてくれるから信用してた。
その結果が――――――抜け道みたいな場所を通ってのツーリング!?
(こんなことなら、『いかのすし』を守ればよかったー!!)
〔★凛は自分の行動に反省している★〕


