彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






檜扇湖亀さんの病室は、お通夜状態になっていた。







「テメーのせいで、瑞希お兄ちゃんからプレゼントされたシルキロールにシミがついたぞ、檜扇二三人・・・・・!?」







正確には、私がお通夜ムードにしてしまっていた。
病室に入るとすぐ、舟槙(しゅうま)さんが私にタオルを渡してきた。
それで必死に、シルキロールをふくが、シミは落ちない。
断りを入れてから、備え付けの洗面所の水をタオルで濡らし、シルキロールの汚れ部分をふいてみる。





「取れない!!」
「蓮クン・・・残念だけど、もうシミになってるよ・・・」





洗面台の鏡の前で絶叫すれば、気の毒そうな顔で舟槙(しゅうま)さんが現実を告げてきた。







(瑞希お兄ちゃんからちょうだいした大事なシルキロールを――――――――――――許さない!!!)

「檜扇二三人(ひおうぎふみひと)・・・・・・!!!」
「ひ!?な、なんだ、その顔は!?」
「ああん!?もともとこんな面だが、文句あるかよ・・・!!?」
「落ち着いて蓮クン!これ、新しいタオル、使って!」
「落ち着けないけど、新しいタオルはお借りします。ありがとうございます、舟槙(しゅうま)さん・・・!!」







舟槙(しゅうま)さんから、再び新しいタオルを受け取りつつ、殺意を込めて檜扇二三人(ひおうぎふみひと)をにらむ。







「テメーこの野郎・・・・よくも俺の大事なシルキロールをけがしやがって・・・・!!」
「ま、待て、蓮!シルキロールを汚したのは、マニーラットだ!俺が汚したわけじゃないだろう!?」
「あ~ん!?オメーが娘をないがしろにしたから、俺が八つ当たり受けたんじゃねぇーか!どうしてくれるんだ!?瑞希お兄ちゃんからプレゼントされたシルキロールの汚れ!?」
「新しいのを買う!!新しいのを、もっと高級なシルキロールを買ってやるよ、蓮!それでいい――――――――――!」
「いいわけねぇだろう!!?」

スパン!

「うわ!?」







突っ立ってるクソ二三人を足払いする。







ドスン!

「ぎゃん!?」







それで床に倒れる口ひげエロ親父。
その姿を見下ろしながら言った。