彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「舟槙(しゅうま)、病室のドア開けろ。おばあ様をベッドに運ぶ。」
「あ、ああ!わかったよ!」





そう言われた舟槙(しゅうま)さんは、親類達をかき分けてドアを開ける。
それを見ることなく、柊護(しゅうご)さんは言う。





「おじい様、お先に中へ。」
「う、うむ!わかった、柊護(しゅうご)!」





そして、病室のドアを守っていたSPに、医療重実写を連れて来なかった方に言った。





「火事の警報は『誤作動』だと知らせろ。処理は任せたぞ。」
「は、はい!かしこまりました。」





柊護(しゅうご)さんの言葉に深く頭を下げると、急いで仕事に取りかかるSP。
それを見ることなく、柊護(しゅうご)さんは開いている病室の中を見ながら言った。







「凛道蓮、親父、早く来い。」







こちらを見ることなく呼ばれる。
それで、親戚達の視線が私達に集まるが―――――――――





(言われた通りにするしかないよね・・・。)

「チッ!今行く!」





かっこつけるために、総長モードのまま答え、突き飛ばすようにしてクソ野郎を離す。





ドスン!

「いた!?れ、蓮~!?」





それで檜扇二三人がしりもちをつこうが、知った事ではない。





「どけや!!見せもんじゃねぇーんだぞ!?」





そう言いながら、道を開けてくれた親戚の間を通る。
にらまれたが、にらみ返せば、みんな小声でブツブツ言うだけ。





「そ、それが父親に対する態度か!?待ちなさい、蓮!」
「誰がテメーの息子だ、色ボケ野郎!!」





そう伝えて、足早に病室へ入る私。
親子だと思われている勘違いを解く前に、新たな事実が発覚してしまった。







(これは瑞希お兄ちゃん・・・実家を嫌がるわけだよ・・・・・)







好きな人が毛嫌いする気持ちが、痛いほどよくわかり、この後の展開に不吉なものを覚えるのだった。