「舟槙(しゅうま)、病室のドア開けろ。おばあ様をベッドに運ぶ。」
「あ、ああ!わかったよ!」
そう言われた舟槙(しゅうま)さんは、親類達をかき分けてドアを開ける。
それを見ることなく、柊護(しゅうご)さんは言う。
「おじい様、お先に中へ。」
「う、うむ!わかった、柊護(しゅうご)!」
そして、病室のドアを守っていたSPに、医療重実写を連れて来なかった方に言った。
「火事の警報は『誤作動』だと知らせろ。処理は任せたぞ。」
「は、はい!かしこまりました。」
柊護(しゅうご)さんの言葉に深く頭を下げると、急いで仕事に取りかかるSP。
それを見ることなく、柊護(しゅうご)さんは開いている病室の中を見ながら言った。
「凛道蓮、親父、早く来い。」
こちらを見ることなく呼ばれる。
それで、親戚達の視線が私達に集まるが―――――――――
(言われた通りにするしかないよね・・・。)
「チッ!今行く!」
かっこつけるために、総長モードのまま答え、突き飛ばすようにしてクソ野郎を離す。
ドスン!
「いた!?れ、蓮~!?」
それで檜扇二三人がしりもちをつこうが、知った事ではない。
「どけや!!見せもんじゃねぇーんだぞ!?」
そう言いながら、道を開けてくれた親戚の間を通る。
にらまれたが、にらみ返せば、みんな小声でブツブツ言うだけ。
「そ、それが父親に対する態度か!?待ちなさい、蓮!」
「誰がテメーの息子だ、色ボケ野郎!!」
そう伝えて、足早に病室へ入る私。
親子だと思われている勘違いを解く前に、新たな事実が発覚してしまった。
(これは瑞希お兄ちゃん・・・実家を嫌がるわけだよ・・・・・)
好きな人が毛嫌いする気持ちが、痛いほどよくわかり、この後の展開に不吉なものを覚えるのだった。


