「湖亀!?しっかりしろ!」
「大伯母様!」
慌てて立たせようとする達比古さんと、私からは慣れて湖亀さんに駆け寄る舟槙(しゅうま)さん。
これに、銭ゲバの親戚達も騒ぎ出す。
「大奥様が泣いてしまわれたぞ!」
「凛道蓮が湖亀様を泣かしたわ!」
「いや、二三人と2人で泣かしたんだ!」
「大丈夫ですか!?今お側に参ります!」
「私も!ご無沙汰しております、大奥様!!」
「俺を覚えていますか、檜扇婦人!」
「湖亀様!」
「大奥様!」
泣く湖亀さんに、金の亡者の親類達が、チャンスとばかりに近寄っていく。
「ええい、離れろ貴様ら!湖亀に寄るんじゃない!」
「ちゃんと皆さんと話せる時間を作るので、今は側に来るのをお控えください。」
達比古さんと舟槙(しゅうま)さんが、必死に追い払うが、群がるのをやめない親戚達。
「大変だ!何とかしなきゃ!」
「お、お父さんも大変苦しいぞ、蓮・・・!早く離して・・・!」
「オメーは自分のことばっかりだなゴミ野郎!!?」
二三人さんの言葉に、侮蔑の表情でディスった時だった。
パキーン!!ジリリリリリリリリリリリリリ――――――――――――!!!
突然、けたたましい音が鳴り響く。
音の発生源に視線を送れば―――――――――――――
「柊護(しゅうご)さん!!?」
火災報知器の前に立つ湖亀さんの孫がいた。
その右手のこぶしは、ボタンを叩き割っており、それですごい音が鳴っていたのだ。
「柊護(しゅうご)!?」
「なにしてるんだ、柊護(しゅうご)!?」
驚く祖父とはとこを無視して、柊護(しゅうご)さんはツカツカと歩く。
湖亀さんが取り囲まれている方へと行く。
「ひ、檜扇の若社長・・・!?」
「柊護(しゅうご)様・・・!?」
「柊護(しゅうご)坊ちゃん・・・!?」
「・・・。」
無言の無表情で近づく柊護(しゅうご)さんを、親戚たちはよけていく。
彼のために道を作る。
道が出来た先に―――――――――
「柊護(しゅうご)ちゃん。」
祖母の檜扇湖亀がいた。
柊護(しゅうご)さんは座り込んでいる祖母を、素早く抱き上げると、立ち尽くしている舟槙(しゅうま)さんに言った。


