「女性を殴るなんて最低ですよ!?」
「ち、違う!こいつが、余計なことを言おうとするから――――――俺は悪くない!おしゃべりで、立場をわきまえない、シリラットが悪い!」
「はあ!?本気で言ってるのですかっ!?」
「凛道蓮っ!!」
「え?」
名前を呼ばれ、思わず振り返れば―――――――
「お前のせいでメーがポーに叩かれた!!」
バコン!
「あ!?」
怒りながらマニーラットさんは叫ぶと、カラになった容器を私の顔めがけて投げてきた。
「マニーラット!!蓮になんてことをするんだ!?」
二三人さんが私をかばえば、マニーラットさんの表情がゆがむ。
「なにそれ!?ポーは、私よりも、凛道蓮が可愛いの!?私が一番じゃなかったの!?」
「暴力をふるう子は、ポーの子じゃない!!」
「ポー!!?」
絶望した顔をするマニーラットさんと、腕組みしてそっぽを向く二三人さん。
「失礼します!柊護(しゅうご)様、医者と看護師を連れてきました!」
そこへ、柊護(しゅうご)さんの命令で病院スタッフを呼びに行ったSPが、白衣を着た医者と看護師数名とストレッチャー付きで帰ってきた。
その背後には、警備員数名もともなわれていた。
それを見て、柊護(しゅうご)さんと二三人さんはそれぞれ言った。
「けが人は床に転がってる男だ。連れて行け。」
「警備員!このタイ人の女性2人を、応接室へ連れて行け!!」
「わかりました。もしもし、お兄さん、わかりますかー?」
「もう大丈夫ですからねー?」
「1、2の3で、ストレッチャーに乗せるぞ!」
柊護(しゅうご)さんの指示を受け、スムーズに動く医療スタッフ達。
「お2人とも、こちらに来て下さい。」
「なんでよ!?二三人!?私達だけ、仲間外れにするの!?」
「ひどいよ、ポー!私達、クロ―プクルアでしょう!?」
「話はあとで聞くから!食事を運ばせるから、食べながらくつろいでなさい!」
「食事に来たんじゃないわよ!?離せ!離せー!!」
「離してよ!ポーの馬鹿!馬鹿、馬鹿、馬鹿!!」
二三人さんの指示を受け、全力で暴れる女性2人を・・・1人を3人がかりで抑えながら連れていく警備員。
それを何とも言えない気持ちで見送る私。


