彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「転んだのは、シリラットが悪い。それなのに、その八つ当たりで、バークリックは凛道蓮を攻撃した。バークリックが、返り討ちにされてよかったと思え。」
「なんでよ柊護(しゅうご)!!?凛道蓮が息子にしたことは、やり過ぎよ!?」
「やり過ぎじゃない。バークリックは、プロのムエタイ選手だろう?それが素人のガキにケガさせたとなれば、問題になるってわからないのか?」





え!?ムエタイの選手だったの!?

(ヤンキーとはいえ、素人の私に、プロがケンカを売ってきたってこと!?)

プロレスラーの東久邇さんでさえ、トラブルを避けるために、暴漢の素人に手を出さなかったというのに!!





淡々と話す柊護(しゅうご)さんに対して、声が大きくなっていく中年女性。





「柊護(しゅうご)!!私達より、凛道蓮が大事なの!!?」
「誰がそんなことを言った?どれも俺から見れば、『どれも同じ』だ。」
「ああああああああああ!!嫌な子!!変わらず、嫌な子!!」
「親父、黙らせろ。」
「う・・・・シ、シリラット!静かにしなさい!ここは病院だぞ!?」
「二三人!!私達が悪いというの!!?」
「静かにしろと言ってるんだ!!」
「柊護(しゅうご)の言いなりになって、恥ずかしくないの!?」
「俺がいつ、言いなりになったんだ!?」
「今だよっ!!!」

バシッ!!

「おぶ!?」





強烈な平手が二三人さん炸裂する。





「な、なにするんだ、シリラット!?」





殴ったのは、シリラットと呼ばれるエキゾチックな女性。
泣きそうな顔で二三人さんをにらみながら言う。





「あなたこそ、なに!?無責任!!バークリックとマニーラットは、私とあなたの子供でしょう!!?」
「えっ!?」

(『私とあなたの子供でしょう』って――――――――――!?)

「お2人は、ご夫婦なんですか・・・!?」





思わず聞けば、シリラットと呼ばれたエキゾチックな女性は、これ見よがしに二三人さんの腕に自分の腕を絡める。







「そうよ!!私達は『クロ―プクルア』なのよ!!」
「メーの言う通りよ!」







そう言いながら、二三人さんの開いている反対の手に腕をからめたのが、私にジュースをかけたマニーラットと呼ばれた若い女性。