彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「あ!?」
「え?」





私に当たらない攻撃をしていたエキゾチックな女性が転んだ。





ドサッ!

「ぎゃん!?」





美魔女が転ぶのを見て、若い男女が声をそろえて叫んだ。







「「『メー』!!」」

「『メー』??」

え?なになに?ヤギ?ヤギの鳴きまね??







困惑する私の前で、若い女性はエキゾチックな女性の側に座り込み―――――







「よくも『メー』を!!」







若い男性はそう言いながら、こちらへと迫ってくる。
なぜか、怒った顔をする若い男性。
そして、私に向かってキレのいいパンチを繰り出してきた。







ヒュン!

「わ!?」

(――――――――素人じゃない!)







若い男性の動きに、直感で、格闘技をしている人だと判断する私。







(きっと、当てるまでパンチ続けるぞ、これ!!)







面倒くさくなったので、早めに終わらせることにした。







「『メー』のかたき!!」

ヒュン!







予想通り、パンチしてきたので、右肩にかすれる程度の立ち位置をずらした。







バン!!

「うっ!?」







かすれるだけだったけど、威力があった。
踏ん張っていた身体がゆれた。







(これは即仕留めるべし!!)







相手がパンチによって、腕が伸び切っているうちに動いた。
こぶしを握り、えぐるようにあごを狙って本気の一撃を入れた。







バコン!!

「ぶあ!?」


(ドンピシャ!!きれいに入った!!)


「「ピーチャーイー!!」」







床にひっくり返った男性に、中年女性と若い女性が声をそろえて呼びながら、一緒に駆け寄る。





この男性、『ピーチャーイー』って名前なんだ・・・。





そんな私の前で、若い男性んしがみつくと美魔女は叫ぶ。







「バークリック!!バークリック!!しっかりして、バークリック!!」
「え?名前、『ピーチャーイー』じゃないのですか??」
「――――――『ピーチャーイー』は、『タイ語』でお兄ちゃんって意味よ!!」







そう言ったのは、若い女性。
お兄ちゃんと呼んだので、妹・・・兄妹だとわかった。
妹らしい女性は立ち上がると、目を吊り上げた表情で私に近づき―――――――







「『ピーチャーイー』のかたきよ!!ジャップ!!」

バシャ!!

「わあっ!?」







正面から液体を、ジュースをぶっかけた。
それも顔面に向けてだ。







(ちょ、顔は!?瑞希お兄ちゃんのシルキロール!!今日、身に着けているのは、瑞希お兄ちゃんからプレゼントされたシルキロールなのに!!)

このクソアマ!!

瑞希お兄ちゃんのシルキロールに向かってジュースかけやがったのか!?







〔★正しくは顔面だ★〕