「大伯父様は浮気をしていて、病気の大伯母様を裏切り続けている。だから俺は、大伯父様を味方とは思ってない。大伯母様に万が一のことがあっても、きっと大伯父様は悲しみもしないとわかってるから・・・」
「舟槙(しゅうま)さん・・・。」
(確かにあのスケベ親父なら、首輪が取れた犬のように、元気に走り回るだろう。)
若い女性と再婚してもおかしくないわね。
「蓮クン、お願いだ。瑞希クンと共に、俺達の仲間になってほしい。」
「俺達、と言いますと?」
「俺と父と祖父の高野家とだ。祖父と大伯母様は血のつながった実の姉弟。おじい様は、大伯母様に、まだまだ長生きしてほしいと思ってる。」
「・・・どういう仲間なのですか?」
「大伯母様の命を守る仲間だ。大伯母様の命だけでなく、その財産を守るための仲間になってほしいんだ。苦労して大伯母様が築いてきた財産を、娯楽や遊びで散財する大伯父様に、お金の管理は任せられない。大伯母様の財産は、大伯母様のために、世の中のために使われるべきなんだよ。」
「檜扇湖亀さんの息子さんは、どうなのですか?」
「蓮クンがお見舞いに来てくれた時のこと、まだ覚えてるよね?だったら、わかるんじゃないかい?あの人は、大伯父様以上に、お金への執着が強い。大伯母様のお金を1円でも多く相続したいと、まだ元気な大伯母様に、自分に有利な遺言書を書いてほしいと迫ってるんだ。そんな二三人伯父さんの態度に傷つく大伯母様を見るのは、もう耐えがたいんだ・・・!早く死んで金になってくれという態度が許せないんだ・・・!!」
「・・・僕にも、生前贈与をとか言ってましたね。」
「ごめんよ・・・君にも嫌な思いをさせて。」
「そんな、舟槙(しゅうま)さんが謝らないで下さい。あなたは良い方ですよ。」
「蓮クンには負けるけどね。」
そう言って、どちらともなく、笑いあう私達。
笑いがやんだところで、舟槙(しゅうま)さんは車を止める。
そして真剣な表情で私を見ながら言った。
「蓮クン、無茶を承知で頼みます!すぐに瑞希クンと一緒に俺達の仲間になってほしい!!一緒に、大伯母様の命を守って下さい!!」
「舟槙(しゅうま)さん」
相手の言葉に心がゆれたけど――――――――
(ちょっと決断を、急かせ過ぎじゃない・・・?)
私の中の冷静な感情が、即答することに待ったをかける。


