彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




「帰ろう、蓮クン。」
「・・・わかりました。」
「お見送り致しますね、高野様、凛道様。」



マダムに誘導され、来た道を戻る私達。





「いつでもいらしてくださいね、高野様、凛道様。」
「ああ、ありがとう、マダム。蓮クンが大人になったら連れてくるよ。」
「え!?いや、僕は田舎者な上に、場違いだから辞退し―――――!」
「きゃあ!」





ふいに、悲鳴を上げるマダム。
声を上げた体が傾いていた。





「危ない!!」





とっさに抱き留めれば、マダムが私んしがみつく。





(んっ!!?)





否、抱き着くというよりも、舟槙(しゅうま)さんから死角なっている方のポケットに手を突っ込んできて、素早く抜いた。





(な、なに!?)





びっくりしたけど、倒れたことによる事故だと思い、マダムを抱き起しながら言った。





「大丈夫ですか?お怪我はありませんか、お姉さん?」
「ええ・・・ありがとうございました、凛道様。」





見惚れるような笑顔で言われ、大丈夫そうなのでホッとする。





「大丈夫か、マダム!?君が粗相をするなんて珍しい。」
「お恥ずかしいですわ、高野様。お2人にみっともない姿をさらしてしまって・・・。」
「そんなことないですよ!つまずいちゃうぐらい、誰でもあります!そうですよね、舟槙(しゅうま)さん!?」
「う、うん・・・蓮クンの言う通りだな。あまり働き過ぎるなよ、マダム。」
「はい、高野様。お心遣い、感謝いたします。」


(怪我がなくてよかった・・・!)





ホッとしながらマダムから身体を離す。
そのまま、出入り口まで見送られ、私と舟槙(しゅうま)さんは店を去る。
マダムは、私達が見えなくなるまで手を振ってくれた。
私も、そんなマダムにバイバイと手を振って別れた。
エレベーターに乗りこめば、車を止めている階のボタンを舟槙(しゅうま)さんが押忍。
ガラス張りになっているエレベーターからは、美しい街の夜景が見えた。
それを見つめながら、下へと降りていく私達。