彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「あの人と僕は初対面なのですが、瑞希お兄ちゃんの関係者だから、今から一緒に来てくれって言うのです。」
「なに!?」




それで温厚なおまわりさんの表情が、厳しいものへと変わる。





「君!こんな時間に未成年を、どこに連れて行く気だ!?」
「え!?あ、いや、その・・・!」
「行き先も言わないし、名前も名乗らなくて、困ってるのです。」
「いやいやいや!伝える前に、移動することになって、説明する間がなかったじゃないか!?」
「移動しながらでも、自己紹介できたはずです。ということで、僕の判断では、不審者かどうかわからないので、伊藤巡査に決めてもらおうと思いまして。」
「それで連れてきたのか、チョコ君?」
「そうです。お手数ですが、お任せしても良いですか?」
「よっしゃ!任せろ!」





そう言うなり、オロオロしている瑞希お兄ちゃんの関係者の腕をつかむ伊藤巡査。





「話は中で聞こう!来なさい!!」
「ちょ!?え!?ウソでしょう!?」
「伊藤巡査ぁ~僕もいた方がいいですかぁ~?」
「あ、チョコ君は帰っていいよ。気を付けて帰りなさい♪」
「はぁーい♪ありがとうございますぅ~♪」
「ええ!?ちょっと!ちょっと、ちょっと!待ってよ、凛道蓮君!俺、そんなに信用がないの!?交番に連れてくるほど、第一印象が悪かった!?」
「さようなら、伊藤巡査♪おやすみなさーい♪」
「はい、おやすみ~♪さあ、お前はこっちに来い!!」
「ひっ!?そんな!待って!助けて凛道蓮く―――――――――――――ん!!」





伊藤巡査に軽々と持ち上げられ、ハコヅメの中に消えていく怪しい奴。
助けを求められたが、無視して帰路につく私。
後は、柔道の達人でもある伊藤巡査が何とかしてくれるだろう。
他力本願ではあるけど、不審者を突き出すことは、一般市民の義務よね~
近くに交番があることに感謝しつつ、使える者は使う私でした♪



〔★凛は公務員の仕事を増やした★〕