彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




トイレを済ませてバーベキュー会場に帰ってからは、舟槙(しゅうま)さんが差し入れで買ってきたデパ地下のお惣菜だけを私は食べた。
檜扇教授はともかく、モルモットの姿焼きを食べるゼミ生の皆さんの前で、普通の料理を食べるのは罪悪感がひどかった。
しかし、ゼミ生の人達も、自分の将来のためにモルモットを食べているらしいので、同情しつつも割り切ることにした。
たまに、少し分けて~と頼んでくる顔色の悪いゼミ生には、どうぞどうぞと、デパ地下のお惣菜を差し出した。
それぐらいしか・・・私にできることはなかったから。
げっ歯類を食材にしたバーベキューは、檜扇教授の「お腹いっぱいだ。」の一言で、やっと終焉となった。




「いや~今回もよく食べた!美味しかったけど、凛道蓮君がネズミアレルギーなのは残念だったよ~」
「すみません~体質なもので~」
「じゃあ凛道蓮クン、食後の運動に出かけようか!?」
「食後の運動、ですか?」
「そうだよ!おい生田さん、片づけの方は頼んだぞ!」
「はい、檜扇教授!ごちそうさまでした!!」
「「「「「「「「「ごちそうさまです、ありがとうございました!!」」」」」」」」」




代表者がお礼を言えば、残りのゼミ生達も声をそろえて感謝を述べた。







(みんな笑顔で言ってるけど、その笑顔は作り物だろうな・・・。)







こうやって人間は、媚びることを覚え、自分のためにへつらうのかと思うとむなしくなった。
達比古教授はバーベキューの片づけを生徒に任せると、私と舟槙(しゅうま)さんと共に舟槙(しゅうま)さんの車に向かう。
駐車場へ向かう道中で、達比古教授は舟槙(しゅうま)さんに言った。






「舟槙(しゅうま)、いつもの店に行ってくれ。」
「え!?あのお店ですか!?」
「そうだ!ぜひ、凛道蓮君を連れていきたい!」
「大伯父様がそう言うのでしたら・・・。」






ノリ気な檜扇教授に対して、舟槙(しゅうま)さんはあまりノリ気な様子じゃなかった。







(どこに連れていこうというのかしら・・・?)

変なところに連れていかないよね?







不安な気持ちの中、止めている舟槙(しゅうま)さんの車まで到着する。