彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




「瑞希お兄ちゃんの関係者の方ですか?」
「そうだよ!今時間あるよね!?一緒に来てほしいんだ!決して、怪しい者じゃないよ!?俺は――――」
「わかりました。立ち話もなんですから、お話はこちらでうかがいましょう。」
「場所を変えるのかい?」
「ご不満でしたら、お引き取り下さい。」
「いやいや!そんなことないよ!どうしても、君と話をしたいんだ!」
「わかりました。とりあえず話を聞きましょう。ついて来て下さい。」
「ありがとう!」



お礼を言う相手に会釈して、フェリチータから離れる。
来た道を戻っていく私。



「どこまで行くの?カフェで話を聞いてくれるのかい?」
「24時間営業の場所ですよ。」
「ファミレスか!?俺、行ったことがないんだよね~」



(ファミレスを利用したことないって・・・ますます怪しい。)



怪しい奴を連れて、目的に向かってひたすら歩く。



「まだ歩くのかい?」
「もう着きますよ。」



その言葉通り、目的の場所に到着する。





「着きましたよ。」
「え!?ええ!?ここって交番じゃないか!!?」
「そうですよ。」





〔★凛の目的地は派出所だった★〕



「話をする場所って、24時間営業のファミレスじゃなかったの!?」
「交番でも話は出来るじゃないですか?公務員も24時間働いてますし。」



私の言葉にオロオロする相手を無視して、目的地にいるはずの人物に声をかけた。





「こんばんは~!」
「はい、どうされまし―――――――あれ!?チョコ君!?どうしたんだ!?パトロールを終えて、帰ったんじゃなかったのか??」
「帰ったのですが―――――伊藤巡査に、お願いがあって参りました。」
「お願い??」





私の言葉を聞いて、交番に勤務するお巡りさんがけげんな顔をする。




「お願いって、どうしたの?」




私に目線を合わせながら言うお兄さんに、私は、真田瑞希の関係者だという人物を指さしながら言った。