彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「さてと・・・大伯父様の食事会に行くわけだけど――――事前に、蓮クンは少食だと伝えてあるから、無理して全部食べることないからね?」
「え?」

なんでそんなウソ伝えた?

ウソの情報を伝える=こいつ私の敵?

瑞希お兄ちゃんの敵なのか?





そんな思いで、高野舟槙(こうや しゅうま)を見れば、何かに気づいた顔をした後で、焦るような声で言ってきた。





「あ、ごちそう期待してたならごめんね!!どうしても、先入観ナシで会ってほしかったから・・・」
「何か御事情があるのですか?」
「・・・まぁね。とりあえず、ドリンクホルダーに入ってるペットボトルの水で、これ飲んじゃって!」





そう言って差し出してきたのは――――――――





「未開封の正露丸・・・??」
「予防対策ってやつかな!あははは!」

おいおいおい。

私に何を食わせようって言うんだよ!?

「食事内容はバーベキューなんだけど、大伯父様、食材をレアで勧めてくることあるから!念のためね!」
「あ、そうでしたか。」

生焼けは困るわ。

私お肉はしっかり焼いてもらう派だから。

(というか、ごちそうになるご飯て、焼肉?肉料理なの??生焼けの心配をするということは、お店の人が焼いてくれるんじゃなくて、自分で焼くということ?)

「あの、自分で肉を焼くなら、まず生焼けにはならないと思いますので、正露丸は頂けないです。」
「いや、自分では焼けないよ!大伯父様が焼いてくれるからこそ、必要なんだ!!蓮クンが食べることのないように配慮するけど、万が一を考えれば、正露丸を持っててもらわなきゃダメだから!!」
「湖亀さんのご主人は、お肉はレア派なのですか?」
「・・・ここで説明するより、現地に行った方が早いよ。乗って。僕の隣の助手席にどうぞ。」





そう言いながら、車のドアを開けてくれる舟槙(しゅうま)さん。





「わかりました・・・。では、お邪魔します。」





いまいち、納得できない気持ちで車に乗り込む。
この時の私はまだ、とんでもない食事会が待ち受けていることを知らなかった。