全員が可児君の部屋に入ったところで、真っ先に可児君が声をかけてきた。
「凛さん、どうして電話をかけていないとウソをつかれたんですか!?」
「真田瑞希様に関わることだからだ。」
瑞希お兄ちゃんが、なぜ実家を嫌うのか。
同じ身内同士なのに、舟槙(しゅうま)さんは身内を大事にし、鳥恒さんは毛嫌いしている。
しかも、鳥恒さんは僧侶だ。
仏に仕える人が全員善人とは思わない。
それでも僧侶が『逃げろ』というほど、本当に危険な身内なのだろうか?
「俺は真田瑞希様の実家に、深く関わることにする。」
「凛さん!?」
「深くだと、凛!?」
「うはははは!あんまり、首突っ込み過ぎると、瑞希はんに嫌われるでー!?」
「もう出禁をくらって嫌われた。だったら、俺の好きにさせてもらう。」
何が正しいのか白黒つけて、その上で、どうすることが瑞希お兄ちゃんにとって最善なのか判断する。
(瑞希お兄ちゃんの幸せを守るためなら、本人に嫌われようがやってやる!!)
「おいおい、凛!やけを起こすんじゃねぇぞ!?冷静になれよ!」
「俺は冷静だ、カンナ。どのみち、もう無視することはできない段階になってる。わかるだろう?」
「それは―――――!」
私の問いかけに言葉を濁すカンナさん。
そんな友達を見てから、他の仲間達を見まわしながら言った。
「おそらくこの問題は、このままじゃ終わらない。檜扇家も高野家も、真田瑞希様から手を引く様子がない。」
「凛道が正しいな。」
「大河!」
普段は意見が合わない円城寺君が同意してくれた。


