彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「ははは!元気が良いね。」
「夜分にお邪魔してすみません。いつも良信君にはお世話になっております。」
「ははは!凛道くん、それは逆じゃないかな?うちのバカ息子の方が、凛道くんにお世話してもらってるだろう?」
「う、うるせぇぞ、親父!」
「良信君、お父さんにそんな口の利き方はよくないよ。」





そう言って、ひょこっと可児君のお父さんの後ろから、もう1人の坊主頭が出てきた。







「鳥恒(とりつね)師範!」







それで可児君の表情が明るくなる。






「いらしてたんですか、鳥恒(とりつね)師範!いつも親父がお世話になってます!」
「いやいや、逆だ。お世話してもらってる方じゃよ!はっはっはっ!」






そう言って高笑いする姿に好印象を持つ。







「可児君、こちらの方はどちら様ですか?」
「あ、凛さん、ご紹介しますね!こちらは、俺の柔道の師匠でもある鳥恒光憲(とりつね みつのり)師範です。」
「はじめまして。鳥恒(とりつね)です。」
「え!?可児君の柔道の先生なのですか?」







柔道をしていることも知らなかったので、2度驚く。
これに朗らかに、相手の先生は笑う。






「ああ、良信君は筋の良い生徒だよ。体躯(たいく)にも恵まれてる。なにより、礼儀正しいのがいいね。」
「鳥恒師範、こちらが俺の敬愛するお方、凛道蓮さんです。」
「敬あ・・・!?可児君、大げさですよ!あ、あの、はじめまして。お初にお目にかかります。凛道蓮と申します。どうぞ、以後お見知りおきを。」






可児君の紹介に照れれば、穏やかな表情と声で鳥恒光憲(とりつね みつのり)さんは言った。






「おお!君が凛道蓮くんかい!?噂は良信くんからよく聞いてるよ!話に聞いた通り、温良恭倹(おんりょうきょうけん) な子だね~!」



〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
温良恭倹(おんりょうきょうけん): 素直・穏やか・控えめ・慎ましい性質を持つ、自分に謙虚で、人にはうやうやしく接する人のことだよーん☆彡昔の中国の儒学者・孔子さんがこの性格だったらしいよーん☆彡