彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




〈蓮クン、明日学校だよね?待ち合わせは、学校が終わってからがいいよね?〉
「あ・・・・あーはい、そうですね・・・・・」
〈じゃあ、迎えに行くよ!どこへ行けばいいかな?〉
「えーと・・・・」

(菅原凛から凛道蓮に変身してからになるから・・・どこがいいだろう?)



出来れば、人目のある安全な場所がいい。
そう思っていたら、肩を叩かれた。




(可児君?)




五分刈り男子がスマホ画面を見せてくる。





―俺達の目が届く範囲、東山高校前で待ち合わせて下さい。―


(・・・マジか。)


確かに学校の前なら、安全と言えば―――――――安全かな?


「あの~舟槙(しゅうま)さん。」
〈決まったかい?〉
「はい。東山高校前でお願いします。」
〈わかった!それじゃあ、東山高校前で明日会おう!〉
「はい、よろしくお願いします。」
〈あ、服装だけど、私服で来て下さい!その方が―――――――いろいろわかりやすいから。〉
「?わかりました。」





意味深なことを言う相手が気になったが、意味があるからわざわざ言ってきたのだろう。
だから同意して、お別れの言葉を述べる。



「それでは舟槙(しゅうま)さん、失礼致します。」
〈こちらこそ!本当にありがとう!また明日ね!〉
「はい。」



そこで受話器を置いた。





「マジかよ、凛!?」
「急展開過ぎますよ、凛さん!」
「リンリン気軽すぎ!」
「危機感持って下さい、凛先輩!」
「カンナさん、可児君、ちーちゃん、雷太?」





受話器を置いた途端、4人の仲間が詰め寄ってきた。