温かいお茶を飲んだことで、身体だけでなく、心もポカポカする。
ホッとする。
お茶で、飲み物を飲んで一息ついたところで、私はつぶやいていた。
「出禁にされちゃった・・・」
それでなぜか、全員の動きが止まる。
でも、それを気にするほど、今の私の心に余裕はなかった。
だから、独り言のようにつぶやき続けた。
「瑞希お兄ちゃん、許してくれるかな・・・」
「凹むなよ、凛!!許すに決まってるだろう!?」
「根拠は何ですか、カンナさん?」
「溺愛してる弟の凛を、いつまでも真田先輩がシカトできるわけねぇだろう!?」
「そうでしょうか・・・」
「そうだよ!自信持てよ、ブラコン!!それよりも、まずは自分の心配しろよ!!」
「自分の心配?」
これ以上、なにに心を悩ませろと言うの?
カンナさんの言葉の意味を、陽気な関西人が答えてくれた。
「うはははは!そうやでー凛!!檜扇家が瑞希はんだけの地雷やとは限らんで!!わしらの敵か味方か、判断しとこうで!!」
「はあ!?瑞希お兄ちゃんのご家族に関わって追い出されたのに、まだ関りを持てというのですか!?そんなことして、永久に接触禁止令が出たらどうするんだよ!!?」
「そのことですが我が君・・・今回、我が君が襲われた件、檜扇家との接触後に起きている時点で、あまりにもタイミングが良すぎると俺は考えています。」
「ウェイウェイウェイ!それちーちゃんも思った系!ぶっちゃけ、檜扇家の人間が、リンリンを襲ったって疑ってる系」
「なんだと!?凛先輩を襲ったのは、檜扇家の奴ってことかよ!?」
「可能性はあるな・・・凛さんの話じゃ、真田先輩の弟の凛さんを、檜扇家の親類は歓迎しなかったっていうじゃありませんか?おまけに、遺産問題まで絡んでるとなると―――――――」
「そうだ!!遺産の取り分を多くするために、凛を殺そうとしたんじゃないかとあたしは思ってる!!」
「はああああああああ!!?」
(そんな理由で殺されかけたの!?てか、そもそも私と瑞希お兄ちゃん、赤の他人なんですけど!!?)
〔★世の中にはそういうこともある★〕


