彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




「じゃあ会長、チョコを送ってきますんで。」
「おお、わかった!」



瑞希お兄ちゃんの言葉に、手汗をハンカチでふきながら、スタンバイしていた時だった。



「大変だ会長さん!酔っぱらいのケンカだ!真田君と宗方君と一緒に来てくれ!」
「会長―!会長じゃなきゃ止められないケンカが起きた!止めてくれ!」



そう言いながら、別のグループの人がヘルプの申請に来た。



「え!?瑞希お兄ちゃんが必要なのですか!?」
「モモちゃんはどうした!?」



私と会長さんの言葉に、呼びに来た人は言った。



「それが、別のケンカ現場に行ってて、手が足りないんだ!」
「じゃあ、行きます!」
「瑞希お兄ちゃん!?」

(私の送迎は!?)



「ご指名とくれば答えなきゃな。そうだろう、烈司?」
「そういうこと♪」
「助かるぜ!残りは俺と一緒に、俺じゃなきゃ止めれないケンカ現場に行くぞ!」
「「「はい!」」」



(え?私どうなるの?)



そう思った時、私と瑞希お兄ちゃんお目が合う。
すると瑞希お兄ちゃんは、私の両肩に両手を置くと、言い聞かせるように仰った。



「チョコ!予定変更だ!お兄ちゃんは指名を受けた現場に行かなきゃならねぇ!これが今夜の俺らの仕事だってことは、わかるよな!?」
「わ、わかります・・・。」
「よし、わかってるな!チョコは強い子だから、1人でも大丈夫だよな!?」
「だ、大丈夫です・・・!」
「1人にするのは気が進まねぇけど、チョコをお兄ちゃんは信じてる!1人で帰れるな!?」
「か・・・帰れます・・・!」
「良い子だ!よく言った!!」



苦渋の思いで伝えれば、笑顔で褒めてくれる好きな人。