彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「テメーコラ!!凛が落ちそうになってるじゃねぇか!?ちゃんと持てやボケ!!」
「・・・。」





瑞希お兄ちゃんの罵声に、こちらのヘルメットマンもしゃべらない。
たぶん、こいつの場合は、わざと無視してるのだと思えた。






「オイ、テメー!!この先にある待避場所で止まれ!!そこで凛をおろせ!!さもねぇと、ただじゃおかねぇぞ!!?」






メンチを切りながら仰る瑞希お兄ちゃん。





(退避場所・・・・非常駐車帯のことだわ。)





高速道路で、唯一止まることが出来る場所で、左側に複数存在する。







「交渉に応じて俺の弟を返さねぇと、ブチ殺すぞ!!!」


ブンブブーン!!







退避場所が迫るが、私を捕まえたバイクの男はスピードを落とそうとしない。







(もう退避場所は目の前だけど――――――――――!!)


ブンブブ――――――――――ン!!


(――――――――――通過した!!)







そして、目の前に迫った大型トラック同士の隙間を、すり抜けるように走った。







ブンブブーン!!


「うっ!?ゴホゴホ!」







シルキロールをしてるけど、排気ガスの煙がすごい!!
そう思った時だった。







キキ―――――――――グルン!!

「え!?」







私を捕まえている不審者が逆走を始めた。








「凛!!!!」

「瑞希お兄ちゃ―――――――――――ん!!!」








逆走により、すれ違ってしまう私と瑞希お兄ちゃん。







「逃がすかよぉ―――――――――――――――――――!!!」

ブロロ、ブロロ、ブロン!ブロ―――――――――――ン!!








私の愛しいお方はそう叫ぶと、ブレーキングアクセルターンで方向転換した。
ブレーキターンでブレーキをかけ、アクセルターンするのがブレーキングアクセルターン。
天気のいい日に、コンクリートの地面でするには難しいいターン。
するなら、雨の日か、雨上がりがちょうどいいけど、今日は晴天日。



〔★ブレーキングアクセルターン、練習するなら雨の日がお勧めだ★〕