「ヤマトの付き添いがダメなら帰ります!!ヤマト、Uターンして!!」
「え!!?」
「うはははは!りょうかーい!!ほな、さいなら~!!」
「待ってくれっ!!!」




ヤマトが方向転換しようとしたら、ヤマトに抱き着きながらそれを止める口ひげ親父。




「いいから!!付き添いアリでもいいから!!一緒に来てくれ、凛道蓮君!!!」
「よかったぁ~♪ありがとうございますぅー!じゃあ僕ら、駐輪場に行きますので、正面玄関でお待ちくださーい♪」
「うう・・・わ、わかったよ・・・!!」

不満げな顔で言われたけど、知った事か!!

「うははは!凛、凛!絶対、1人にならん方がよさそうやで!」
「奇遇ですね。僕そう思ったところです。」




そう話しながらバイクを駐輪場に止め、徒歩でゆっくりと正面玄関に移動する。
私達の姿を見届けると、口ひげが駆け寄ってきて私の腕をつかむ。





「本当に今日は、よく来てくれたね!!お友達も一緒に案内するから、母さんに会ってくれ!!」
「・・・わかりました。」
「うははは!」

(まるで、私を逃がさまいという感じで腕をつかみやがって・・・ここまで来たら、誰も逃げないわよ!)





そう思っていたら、ヤマトが私の服のはしを掴んだ。
ヤマトなりの防犯対策のつもりらしいので、好きにさせることにした。





「こっちだよ!!ついて来てくれ!!」





腕を引かれ、すぐさまエレベーターの前まで案内される。
そこには、病院に来るには、不釣り合いなスーツ姿の男性3人がいた。







「会長、凛道様だけだったのでは?」
「予定が変わった!付き添いのヤマト君だ!早くボタンを押せ!」
「は、かしこまりました。」

(え?『会長』・・・?)







スーツ男の一人の言葉に、思わずヤマトと顔を見合わせる。