だいぶ沈黙が続いてしまって、 さすがに高橋さんが口を開いた。
「何でもないなら、 寝るぞ?」
高橋さんのその声もその目も唇も、 凄く近くにいるのに届かないの?
私の心の声……言わないと伝わらない。 昔から、 高橋さんがよく言っている言葉。
でも……恥ずかしくて言えないの。 私……私の思いに気づいて。 お願い! 高橋さん……。
エッ……。
ふと気づくと、 自分でも驚いた。
高橋さんの首に、 自分から両手をまわしていた。
そんな思いも寄らない私の行動に、 少し驚いたような高橋さんは、 それでも何も言わずに真上からジッと私を見つめているだけだった。
「ご、 ごめんなさい。 私……どうかしてて……」
我に返って恥ずかしさのあまり、 慌てて両手を高橋さんの首から離して引っ込めようとしたが、 その両手首を高橋さんが素早く掴んでしまった。
「は、 離して……」
しかし、 高橋さんはそのまま両手首を私の頭の上に置くと、 右手で軽く押さえつけた。
「お前……」
居たたまれずに目を逸らすと、 高橋さんはすぐに私の両手首を解放してくれたので、 その隙に起き上がってベッドから降りようと半分ぐらいまで立ち上がったところで、 高橋さんに捕まってしまった。
「待てよ」
驚いて後ろを振り返ると、 高橋さんが上半身だけ少し起こしながら、 私の左手首を右手で掴んだ。
「キャッ!」
そして、 そのままいとも簡単に私を引っ張ると、 私はまたベッドの上に逆戻りしてしまい、 少し反動がついたせいか、 ベッドの上で少し上半身が跳ねた。 見ると、 高橋さんの顔が真上にあって、 先ほどと同じ体勢になってしまっていた。
焦って高橋さんの顔を見ながら、 視線を泳がせた。
「……ったく……我慢してたのに」
エッ……?
高橋さんが呟くように言うと、 目を瞑って少しだけ俯いた。
何も言い返せず、 聞き返すことすら出来なくて、 今更ながら自分がしてしまった事への後悔ばかりが浮かんでいた。
「何でもないなら、 寝るぞ?」
高橋さんのその声もその目も唇も、 凄く近くにいるのに届かないの?
私の心の声……言わないと伝わらない。 昔から、 高橋さんがよく言っている言葉。
でも……恥ずかしくて言えないの。 私……私の思いに気づいて。 お願い! 高橋さん……。
エッ……。
ふと気づくと、 自分でも驚いた。
高橋さんの首に、 自分から両手をまわしていた。
そんな思いも寄らない私の行動に、 少し驚いたような高橋さんは、 それでも何も言わずに真上からジッと私を見つめているだけだった。
「ご、 ごめんなさい。 私……どうかしてて……」
我に返って恥ずかしさのあまり、 慌てて両手を高橋さんの首から離して引っ込めようとしたが、 その両手首を高橋さんが素早く掴んでしまった。
「は、 離して……」
しかし、 高橋さんはそのまま両手首を私の頭の上に置くと、 右手で軽く押さえつけた。
「お前……」
居たたまれずに目を逸らすと、 高橋さんはすぐに私の両手首を解放してくれたので、 その隙に起き上がってベッドから降りようと半分ぐらいまで立ち上がったところで、 高橋さんに捕まってしまった。
「待てよ」
驚いて後ろを振り返ると、 高橋さんが上半身だけ少し起こしながら、 私の左手首を右手で掴んだ。
「キャッ!」
そして、 そのままいとも簡単に私を引っ張ると、 私はまたベッドの上に逆戻りしてしまい、 少し反動がついたせいか、 ベッドの上で少し上半身が跳ねた。 見ると、 高橋さんの顔が真上にあって、 先ほどと同じ体勢になってしまっていた。
焦って高橋さんの顔を見ながら、 視線を泳がせた。
「……ったく……我慢してたのに」
エッ……?
高橋さんが呟くように言うと、 目を瞑って少しだけ俯いた。
何も言い返せず、 聞き返すことすら出来なくて、 今更ながら自分がしてしまった事への後悔ばかりが浮かんでいた。


